iOS11.2.2を入れると、iPhone6は4〜5割遅くなる

先日公開された、CPUの深刻な脆弱性「Spectre(スペクター)」に対応したiOS11.2.2をインストールした結果、iPhone6のベンチマークスコアが4割〜5割程度低下した、との比較データが公開されました。「それでも、iOS11.2.2にアップデートすべきだ」とデータを公開したサイトはは呼びかけています。
最新版のiOS11.2.2と旧バージョンiOS11.1.2のiPhone6でテスト
Appleは先日、CPUの深刻な脆弱性「Spectre(スペクター)」に対応するセキュリティパッチとして公開したiOS11.2.2を「すべてのユーザーに推奨」としています。
iOS11.2.2と、昨年11月に公開されたiOS11.1.2がインストールされたiPhone6とで、ベンチマークテストの結果を比較した結果を、テクノロジー系ブログメディアのMelv1nが公開しました。
iOS11.2.2へのアップデートでベンチマークが5割低下
Geekbench4.2.1を使ったベンチマークテストの結果を比較すると、シングルコアではiOS11.1.2で1561だったスコアが、iOS11.2.2では924へと41%低下しています。
同様に、マルチコアではiOS11.1.2の2665が、iOS11.2.2では1616へと、39%低下しています
このほか、Melv1nが公開したベンチマークスコアを見ると、多くの項目で、iOS11.2.2環境下ではiOS11.1.2と比べて4割〜5割程度、スコアが低下しています。
「iOS11.2.2へのアップデートをためらうな」と警告
比較結果を見ると、iOS11.2.2へのアップデートによってiPhone6の動作が半分程度に遅くなるように思えてアップデートを躊躇するユーザーもいるかもしれません。
しかし、Melv1nはセキュリティのためにパフォーマンスが低下することは「必要悪」だと述べ、「Appleが説明しているとおり、iOS11.2.2は非常に重要なセキュリティアップデートだ。アップデートを躊躇してはいけない」と注意喚起しています。
テクノロジーメディアiPhoneHacksも、「実際の使用において、ベンチマークスコアの差ほどの動作速度の違いを感じることはないはずだ」と、同様にiOS11.2.2へのアップデートを推奨しています。
Appleは今後、パフォーマンスへの影響を緩和させる方針
Appleは、「ARM ベースおよび Intel CPU の投機的実行の脆弱性について」と題したサポートページにおいて、「Meltdown(メルトダウン)」にはiOS11.2で、「Spectre」にはiOS11.2.2でそれぞれ対応した、と発表しています。
Appleは発表の中で、Spectre脆弱性への対応により、アップデートによってパフォーマンスにある程度の影響があることを認め、この後のアップデートで影響の緩和を図る方針を説明しています。
Spectre 脆弱性については、オペレーティングシステム内で今後もさらに影響緩和策を開発・検証し、iOS、macOS、tvOS の今後のアップデートにてリリースしていく予定です。watchOS は Spectre の影響を受けません。