Apple、中国のApp Storeから国外サービスが使えるVPNアプリを一斉削除!

仮想のプライベートなネットワーク接続ができるようになるVPN(Virtual Private Network)アプリが、中国のApp Storeから一斉に削除されたことが分かりました。VPNを使えば、本来であれば中国では利用できないはずのサービスを使えてしまうため、かねてより中国政府によって問題視されていました。
若いネットユーザーを中心に活用されていたが
2017年の初めにもAppleは、米メディアNew York Timesのアプリを中国のApp Storeから現地の法律に違反しているとして削除しましたが、今回の一斉削除は特定のアプリに限らないという点で、より大掛かりなものといえるでしょう。
広く知られている通り、中国では「金盾(Great Firewall)」と呼ばれる政府当局の検閲システムによって、Google(YouTubeやGoogle Map、Google Playなども含む)、Facebook(Instagramも含む)、Twitterといった名だたるアメリカ発のサービスが使用不能となっています。しかし、VPNを使えば、あたかも中国国外からアクセスしているように見せかけて、こういったサービスを利用することが出来るため、若いネットユーザーを中心として幅広く活用されてきました。
ただし、アプリがストアから一掃されただけであって、すでにダウンロード済のユーザーは、引き続きVPNを問題なく使用できるようです。
数日前には有名動画サイトも一斉削除を余儀なくされていた
iPhone6の爆発的なヒットで一躍中国のスマートフォンシーンを席巻したAppleですが、このところはHuaweiやOPPO、Vivoといったローカルベンダーにシェアで押され気味の現状が続いています。
それでもAppleの業績を大きく左右する巨大市場であるだけに、下手に中国政府の怒りを買って、Googleのように締め出される事態は避けたいということなのでしょう。
なお、App StoreからのVPNアプリ一掃の少し前には、AcFun、Bilibiliといった有名動画サイトから違法にアップロードされた日本のドラマが一掃されており、インターネットのコントロールを掌握したいという政府当局の強気な姿勢がうかがえます。
Source:9to5Mac
(kihachi)