手遅れ?Pandora、有料サービス「Pandora Premium」を発表

    Pandora

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    音楽ストリーミングサービスのPandoraは現地時間3月15日、月額9.99ドル(約1,130円)の有料会員向けサービス「Pandora Premium」を開始すると発表しました。しかし、サービス内容でApple MusicやSpotifyとの差別化ができておらず、乗り出すのが遅すぎた、と厳しい見方が優勢です。

    約9,000万人の無料会員持つPandora

    Pandora Premium」は、約9,000万人の無料会員を持つ既存のストリーミングラジオサービスに加えて、好みの楽曲やプレイリストを検索して聴くことが可能なサービスです。
     
    提供地域はアメリカ、オーストラリア、ニュージーランドの3か国で、最初の6か月間は無料で試用可能です。
     
    Pandora Premium
     
    好きな曲としてマークした曲を独自機能「ミュージック・ゲノム」で解析し、自動で作成されるプレイリストや、再生中の楽曲のジャケットに応じて画面の背景色が変わるデザインなどが特徴です。
     
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    サービスの独自性、タイミングに各メディアから厳しい声

    好きな楽曲の再生やダウンロードが可能な有料サービスは、既にSpotifyやApple Musicが行っており、月額料金も9.99ドル(日本では980円)と横並びで、サービス内容も差別化できるほどの独自性に欠ける印象は拭えません。
     
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    米誌Forbesは「Pandora Premium」について、5,000万人以上の有料会員を擁する最大手Spotify、2015年開始と後発ながら2,300万人の有料会員を持ち独占コンテンツの獲得にも精力的なApple Musicという強力なライバルと戦っていくのは「大きなチャレンジ」だ、と厳しい見方を示しています。
     
    テクノロジー系メディアWIREDはPandora Premiumの独自性の乏しさから「SpotifyやApple Musicの会員がPandora Premiunに乗り換える理由が見当たらない」として、「ストリーミング戦争はじきに終わる。Pandoraは乗り遅れてしまった」と、Pandora Premiunはサービス内容とタイミングともに競争力に欠けると見ています。

    オンライン音楽配信初期に成功するも業績悪化、身売り説も流れたPandora

    Pandoraは、オンライン音楽配信ビジネス黎明期に成功をおさめていたものの、Apple Musicが登場した2015年から状況が劇的に悪化しました。
     
    Apple Musicのサービス開始当初の2015年7月には、経営者が「脅威ではない」と余裕の構えを見せていたものの、同年10月の決算発表で約10億円の損失を発表すると株価が暴落、2016年2月には身売り報道まで流れていました。
     
    今年1月に発表された、アメリカの消費者を対象に実施されたブランドロイヤルティー調査の結果では、Pandoraはオンラインミュージック部門での首位をApple Musicに譲っています
     
     
    Source:Pandora 報道発表, 公式ブログ Forbes, WIRED
    (hato)

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