Foxconnの郭会長、トランプ次期大統領に公開書簡!皮肉たっぷり痛烈批判!

    鴻海精密工業の郭台銘(テリー・ゴウ)会長

    Foxconn 郭会長からトランプ次期大統領への公開書簡
     
    Apple最大のサプライヤーであるFoxconnを擁する鴻海精密工業の郭台銘(テリー・ゴウ)会長がドナルド・トランプ次期米国大統領にあてた公開書簡が、12月7日付けのBloomberg電子版に掲載されました。「iPhoneをアメリカで作らせる」とのトランプ氏の公約を、皮肉を交えつつ手厳しく批判しています。

    「私はあなたのiPhoneを作っている男」

    ドナルド・トランプ次期米国大統領への公開書簡は、「あなたは知らないかもしれないが、私はテリー・ゴウ。あなたのiPhoneを作っている男です」の書き出しで始まっています。
     
    鴻海精密工業の郭台銘(テリー・ゴウ)会長
     
    トランプ氏と台湾の蔡総統との電話会談が議論を呼んでいることに「次に台湾の総統と話す時、電話の向こうにいるのは私かもしれないよ」と触れつつ、「私たちは多くの共通点がある。ともに億万長者で(私のほうが金持ちだけど)、物作りが好きで、若くて美人な妻がいる。そして、ともにウォール街が大嫌いだ」と、語りかけています。

    「実行する男」郭会長、トランプ氏の公約を痛烈批判

    郭会長は「私は実行する男だ」と、輸入関税回避のためAppleがブラジルでiPhoneを製造したいと言った時に応じた時のことを紹介しています。
     
    「ただし、半完成品を持ち込んだので雇用はほとんど生まれなかった、それでもAppleとブラジルのリーダーは、喜んでいた。誰がツケを払ったと思う?私ではない」と、安易に製造拠点を移すことを痛烈に批判しています。

    「お望みなら、トランプタワーでiPhoneを製造してもいい」

    さらに、「iPhoneをアメリカで作りたいなら、実行してもいい。お望みなら、トランプタワーで製造してもいい。ただし、コストはとんでもないことになる。人件費に輸送費が必要だ」と、アメリカでのiPhone製造に現実味がないことを説明しています。
     
    中国がアメリカの雇用を奪っている、とのトランプ氏の主張に対し、「私が中国で製造しているのは、安上がりだからではない。すぐ近くに私の工場がたくさんあり、最盛期には100万人を雇用している」と中国での製造規模の巨大さを伝えます。

    「どんな数字をツイートしたいんだ?」と挑発

    トランプ氏は輸入品に高い関税をかけると主張、中国が強く反発していますが、郭会長は、「輸入関税を引き上げても、問題の解決にはならないだろう。その代わり、私に減税と、雇用のための補助金と、安い電力と、無料の土地をくれたら、なんとかしよう。Twitterでどんな数字をツイートしたいんだ?聞かせてくれたら応じてやろう」と、Twitterを愛用するトランプ氏を挑発します。
     
    最後に「あなたが(メキシコ国境に)作ろうとしている壁のように、誰かが費用を負担しなくてはならない。その誰かは、私ではない」と、トランプ氏にきつい一発で締めくくっています。

    Foxconnはソフトバンク・孫社長の巨額投資計画に参加

    かなり強い批判を含む郭会長の公開書簡ですが、トランプ氏は応じるのでしょうか。
     
    現地時間で今週の水曜日には、Appleのティム・クック最高経営責任者(CEO)が、Googleのラリー・ペイジCEOなどIT企業経営者たちがトランプ氏と会合を持つと報じられています。
     
    なお、現地時間12月6日、ソフトバンクの孫社長がトランプ氏と会談し、巨額投資と5万人の雇用創出を目指すことで合意していますが、郭会長率いるFoxconnグループも70億ドル(約8,000億円)の投資で参加する模様です。
     
    孫社長と親交の深い郭会長が、孫・トランプ会談の翌日というタイミングでこの公開書簡を掲載した真意が気になるところです。

     
     
    Source:Bloomberg
    Photo:Foxconn
    (hato)

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