国税局が動いた!Apple子会社の日本法人に120億円の追徴課税―なぜ漏れが起きた?

    Apple Store 中国

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    Appleの日本法人であるiTunesが、東京国税局から所得税の源泉徴収漏れを指摘され、約120億円を追納していたことが発覚しました。iTunesはすでに納付済です。

    ソフトウェア使用料としての納税を回避?

    日本ではユーザーがAppleのサービスである「iTunes」を使用して、音楽や動画などのメディアコンテンツに課金した場合、そこから得られる手数料は日本法人であるiTunesが得ていました。
     
    本来であれば、iTunesの著作権を有しているAppleのアイルランド子会社(Apple節税スキームの震源地として問題となっている)に、このサービスで得た利益を支払う必要がありましたが、iTunesはアイルランド子会社ではなく、アップルジャパンに使用料とは別の名目で多額の支払いを行っていました。
     
    読売新聞によると、「日本の所得税法などでは、日本法人が外国法人に使用料を支払った場合は、支払額の20.42%を源泉徴収して納税しなければならない」とされており、iTunesは同じ日本法人であるアップルジャパンに別名目で送金することにより、この納税を回避しようとしたのではないかとの疑惑が持ち上がっています。

    最終的にアイルランド子会社に支払った額は変わらない

    事実、アップルジャパンは、シンガポールのアップル関連会社を経由してアイルランド小会社からiPhoneを買い取る際、本来iTunesが収めるべき使用料相当の額を、iPhoneの仕入れ値に上乗せして払うことで、実質的にはiTunesの代わりに納めていました。
     
    apple itunes 追徴課税
     
    iTunes→アップルジャパン→シンガポール子会社→アイルランド子会社と仲介者が多く存在するものの、東京国税局はこれを、iTunesがアイルランド子会社に対して使用料を支払っていることには変わりないと判断。使用料の額が2014年から600億円相当にのぼることから法令どおりの20.42%を源泉徴収すべきとして、約120億円の追徴課税をiTunesに対して行いました。
     
    名目がなんであったかにより納税額が変わるというだけで、iTunesからアイルランド子会社に最終的に支払われた額は使用料相当と同額であるため、iTunesが日本での利益に対して課される法人税額は変わらないとのことです。
     
     
    Source:読売新聞,東京新聞
    (kihachi)

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