Samsung、Galaxy Note 7の回収費用は1,000億円超か

    Samsung Galaxy Note7

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    Samsungは爆発の危険性があるとして、Galaxy Note 7の全世界での回収に踏み切りましたが、そのコストは10億ドル(約1,000億円)を超えるとも言われています。

    「悲痛な」リコール費用

    Bloombergの試算によると、約2週間前に発売となったGalaxy Note 7はこれまでに約250万台出荷されています。Credit Suisse Group、Daishin Securities、Pelham Smithers Associatesは、リコール費用は10億ドル程度になると見積もっています。
     
    Samsungは回収費用を明らかにしておらず、9月2日にソウルで行った記者会見では「悲痛な(heartbreaking)」金額にのぼる、と表現するのみにとどめています。

    最悪のタイミング

    しかも爆発の不具合が見つかったタイミングが最悪でした。Galaxy S7の成功で、Samsungの2016年第2四半期(4〜6月期)の営業利益は前年同期比17.4%増の8兆1,000億ウォン(約7,570億円)、純利益は同1.7%増の5兆8,500億ウォン(約5,440億円)を計上したばかりです。
     
    本来であればGalaxy Note 7が製品ラインアップを完成させ、来たるAppleのiPhone7/7 Plusに備えるはずだったのです。

    気になる今後への影響

    Credit Suisseは、Galaxy Note 7を1台売り上げるごとに、Samsungは約600ドルの収益と108ドルの営業利益を得ていたと見積もっています。また当初の第3四半期(7〜9月期)の売り上げ目標が400〜500万台、第4四半期(10〜12月期)は800〜900万台だった、とも述べています。
     
    気になるのは、回収費用という金額面での損失だけでなく、今回のリコールがSamsungのブランドイメージに与える影響の大きさです。S7で大画面スマホとして高い評価を得、iPhone7/7 Plus発売前というNote 7のリリース時期はベストのタイミングでした。しかしその優位性も、今回のリコール騒動で完全に失われています。
     
    しかしその半面、今回の比較的迅速なリコールの決断を評価する声もあります。Samsungの企業としての底力と技術力が、今後の同社のブランドイメージを左右するのは間違いありません。
     
     
    Source:Bloomberg
    (lunatic)

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