アップル創業者のウォズニアック氏、「ティム・クック時代の5年」について語る

スティーブ・ウォズニアック インタビュー

スティーブ・ウォズニアック インタビュー
 
ティム・クック氏がアップルのCEOに就任してから5年が経ちましたが、改めて同社の創業者であるスティーブ・ウォズニアック氏が、ユーザー・プライバシーやマイノリティの尊重を訴え続けるクック氏に対して賛辞を送っています。

FBIとの対決姿勢に胸を打たれたウォズ

スティーブ・ジョブズ氏とともにアップルを築き上げたスティーブ・ウォズニアック氏。ジョブズ氏亡き後も、「御意見番」として歯に衣着せぬ物言いで注目を集めています。例えば、Apple Car開発について「少し恥ずかしく思う」と批判したり、「今のアップルはかつての姿を失ってしまった」と説得力を持って語ったりすることができるのは、彼ならではと言えるでしょう。
 
しかし、そんな辛口のウォズニアック氏も、ティム・クック氏には賞賛を惜しみません。「アップルが向かおうとする方向に、私はとても満足している」と語る同氏。「個人のプライバシーを守ろうとするティム・クックのことをすごく尊敬している。なぜならば、アップルは常に人間とテクノロジー、どちらがより大切かという問いを私に投げかけ続けてきたからだ」
 
ジョブズ氏が亡くなった後、多くの人がアップルは重要なキーを失ってしまった、革新的なことはもうできないだろうと考えました。しかし、ウォズニアック氏は彼らに向かって「短絡的に判断するな」と語り、数年待ってみるようにと言い続けてきたそうです。
 
事実彼にとって、FBIのiPhoneロック解除要求に対して、クック氏とアップルが採った行動は心から賞賛に値するものでした。「アップルは常に人間の側に立ってきた。我々は今後も沢山のテクノロジーやソフトウェアを作り続けるが、それはテクノロジーに人間を適合させるというよりも、人間のために役立てるためのものなんだ」

マイノリティに理解を示すクック氏にも共感

また、有色人種やLGBTといったマイノリティの尊重にティム・クック氏がこだわることにも、ウォズニアック氏は賛同の意を示します。
 
「異なる文化や民族性、ジェンダー、セクシャルな背景を持っている誰をも平等に扱うことについて、彼はいつもオープンに語ってきた。我々は女性と男性に同じ賃金を支払っている。テクノロジーの名のみにおいて、我々は1つの会社として集結していると私は思っている。だから彼を尊敬するんだ」
 
クック氏は2014年、「自分が告白することで誰かの救いになれば」として自らがゲイであることを明らかにしています。

今後のアップルはどうなる?

いつもテクノロジー方面になると舌鋒鋭くなる彼ですが、今回ばかりは、クック氏時代のアップルを「本当にひどくて醜い製品を作っている」と思ったことは一度もない、とやや甘めの採点です。
 
ウォズニアック氏は、アップルが以前のように革新的ではないことは認めつつも、スマートフォンは短距離走よりもマラソンのようなものだとし、「売り上げは依然として高い。アップルのブランドはこの月、このモデルといった条件で測れるようなものではない」と述べ、今後ともiPhoneがスマートフォン業界をリードしていくことには変わりないとの考えを強調しています。
 
また、今後のアップルについては、「どんなプロジェクトを手がけているかは秘密に包まれている」としながらも、「沢山のことが進められているはずだ」と将来的な展望に含みを持たせました。事実、アップルはApple Carのほか、VR/ARAIロボットなど様々な分野への本格参入が噂されています。
 
 
Source:CNET
(kihachi)

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この記事を書いた人

丸みを帯びたiPhone3GSの筐体に惚れ込み、Apple信者を誓ったのも今は昔。2014年から始めたライター業がきっかけで、気づけばXiaomiやHuaweiなど中華スマホにも手を出す浮気症に。

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