Uberの初の自動運転車が8月末から米ピッツバーグでサービス開始
配車サービスのUberがこの8月末から、米国ペンシルバニア州ピッツバーグで、同社初の「自動運転車」によるサービスを開始することがわかりました。
自動運転を商業化している企業はない
自動運転については、Googleが数年前からフィールドテストを重ねていることはよく知られています。Teslaも、高速道路で自動運転を可能とするAutopilot機能を提供しています。今週初めには、Fordが自動運転車による相乗りサービス事業に乗り出すと発表しました。またAppleも、電気自動車や自動運転車を開発しているという噂があります。
しかしこの企業のいずれも、実際に市場にサービスを提供する段階には至っていません。
自動運転車のベースはVolvoのSUV
Uberの自動運転車は、当面は運転席に人間が座り、監督を行います。車はSUV『Volvo XC90』を特別に改造したもので、数十個のセンサーとカメラ、レーザー、レーダー、GPSを装備しています。
カスタマイズしたVolvo XC90は現時点ではまだ数台しか納車されていませんが、今年末までに合計100台がUberに届けられる見通しです。UberとVolvoは今年初め、2021年までに完全な自動運転が可能な車を開発する契約を締結しています。契約金額は3億ドルとされています。
しかしVolvoとの契約は独占契約ではなく、Uerは他の自動車メーカーとの契約も計画しています。
新興企業Otto買収で優秀な人材を大量に確保
一方で優秀なエンジニアの採用にも力を入れており、Google、Apple、Teslaなどからも引き抜きを行っている模様です。
7月には、無人トラックを開発する従業員91名の新興企業Ottoを買収しましたが、人材獲得が主目的だといわれています。というのも、Ottoの共同創業者であるアンソニー・レバンドウスキ氏は、Googleの自動運転車開発チームを、創立当時から支えていた技術者。同じく共同創業者のリオー・ロン氏は5年間、Google Mapsの責任者でした。クレア・デロネイ氏はGoogleの元ロボティクス責任者、ドン・バーネット氏もGoogleの元ベテラン技術者です。
まずはアプリでデータを蓄積
ライバルに先行して自動運転車によるサービスを市場に出すUberですが、自ら自動運転車を製造する計画はありません。それよりもVolvoなどの自動車メーカーと提携し、他の自動車を自動運転車にカスタマイズする「キット」を開発するとしています。
Uberはまず、完全自動化に踏み切る前に、アプリを通じて運転データを大量に蓄積し、自動運転用のマップとナビゲーションシステムの機能向上に役立てる計画です。
当面、自動運転車の運賃は「タダ」
ちなみにピッツバーグでUberを呼んでも、自動運転車(当面は運転席に特別な訓練を受けた技術者、助手席には記録担当者が乗っていますが)に当たるかどうかはわかりません。ただ自動運転車に当たった場合、しばらくは料金は無料とのことですので、体験できるうえにタダと、かなり幸運といえそうです。
Source:Bloomberg
(lunatic)