Googleの自動運転車、技術トップが退社!社内圧力、上司との関係に悩む?
Googleの自動運転車部門のCTO(最高技術責任者)であるクリス・アームソン氏が、退社を明らかにしました。退社の理由は明かされていませんが、社内の圧力や新CEOとの関係に悩んでいたようです。
「私は新たなアドベンチャーを見つける」
2009年にGoogleの自動運転車プロジェクトに加わったアームソン氏は、2013年にセバスチャン・スラン氏の後をついでCTOのポジションに就いています。
アームソン氏は自身のMediumで、「自動運転車に180万マイル(約288万km)、人間なら150年かかる距離を走らせた。純粋な研究から始まったこのプロジェクトの成果が、いつか、誰もが使えるようになると願っている」とプロジェクトの成果を振り返り、「私は新たなアドベンチャーを見つける」と語っています。
収益化への圧力、そりの合わない上司
アームソン氏は退社の具体的理由、新たな勤務先などは明かしていません。しかし、ニューヨークタイムズによると、事業の収益性や新しい上司との関係で悩んでいたようです。
Googleの未来的技術を研究するX Labs部門も、利益が期待できない事業へのプレッシャーが増しつつあり、商業的な成功が見込めない自動運転部門への風当たりが近年、強まっていた模様です。
また、アームソン氏は、2015年9月に就任した自動運転部門のジョン・クラフィック新CEOとうまくいかない、とGoogle創業者のラリー・ペイジ氏に個人的に相談していた、とも報じられています。
元同僚たちへのエールで締めくくった投稿
アームソン氏は、Mediumの投稿を、元同僚たちに向けた以下のメッセージで締めくくっています。
この有能な人材によるグループは、これから多くの問題や製品に取り組むことになるだろう。しかし、彼らは自動運転車を選んだ。それは、彼らの仕事が、道路を安全なものにし、人々が出かけるのを容易にするインパクトがあることを理解しているからだ。
私は、彼らを応援し、進歩を見守っていく。
Appleの自動車開発プロジェクトも中心人物が突然の退社
現在、自動運転車は世界の強豪自動車メーカーたちが研究開発に取り組んでいます。ソフトウェア技術が鍵になると言われる自動運転技術には、従来の自動車産業と関係のなかったIT関連企業も参入しています。
「プロジェクト・タイタン」のコードネームで電気自動車開発を進めていると噂のAppleも、自動運転を取り入れるのではないか、と噂されています。開発の中心人物の突然の退職という、アームソン氏のケースと似た出来事により、開発の遅れが噂されていました。
しかし、iPadやMacBook Airを世に出したテクノロジー担当の元上級副社長を開発責任者に据え、2020年頃の発売を目指していると見られています。
なお、Googleの自動運転車についてテスラ・モータースのイーロン・マスク氏は、Googleは自社の製品を販売するのではなく、ソフトウェアをライセンス販売するのだろう、との見解を明かしています。
Source:アームソン氏のMedium, Digital Trends, The New York Times
(hato)