iPad mini(A20 Pro)でゼリースクロール解消?OLEDの応答速度に注目

iPad mini(A20 Pro)は、最大リフレッシュレート120HzのProMotionテクノロジーには対応していないものの、有機EL(OLED)ディスプレイの採用によって画素応答速度が大幅に向上したと、Appleの幹部がインタビューで述べています。
iPad mini 6以降のモデルで課題となっていた、スクロール時に画面が揺れているように見えるゼリースクロール現象についても、改善が期待されます。
iPad mini(A20 Pro)のOLEDの特徴
Appleのハードウェアエンジニアリング担当副社長であるデイブ・パクラ氏が、YouTubeのインタビューでiPad mini(A20 Pro)に搭載されたOLEDディスプレイの特徴について説明しています。
主な内容は次の通りです。
- 最大リフレッシュレート120HzのProMotionテクノロジーには非対応で、60Hzにとどまる
- OLEDの画素応答速度は液晶ディスプレイの10倍以上
- 高速な画素応答によって残像感が大幅に低減
- OLED化によるディスプレイパネルの薄型化が、本体の薄型化にも貢献
- 2,000,000:1の高コントラスト比を実現
- HDRコンテンツのピーク輝度は最大1,200ニト
- 耐水性能を高めるため、従来のスピーカー開口部を廃止
- 画面を振動させて音を出す専用ドライバーが、中・低音域を担当
- 高音域用には、ガラスとアルミニウム筐体の隙間に設けた開口部から音を出す小型ツイーターを両端に配置
パクラ氏は、iPad mini(A20 Pro)が120HzのProMotionに対応していないことについて、OLEDの高速な画素応答によって残像感が大きく減少する点を強調しています。
リフレッシュレートは画面の表示を更新する頻度、画素応答速度は各画素の表示状態が変化する速さを指します。どちらも動きの見え方に関係しますが、異なる性能指標です。
ゼリースクロールへの効果は?
ゼリースクロールは、画面の左右などで表示が更新されるタイミングに差が生じ、スクロール時に表示内容が歪んで見える現象です。
そのため、OLEDの画素応答速度が向上して残像感が減少しても、それだけでゼリースクロールが解消するとは限りません。
もっとも、OLEDへの変更によって表示の更新方式や駆動回路も変わっていれば、従来モデルで指摘されていた現象が改善されることは十分に期待できます。
実際にどの程度改善されているのかは、発売後の実機検証で明らかになるでしょう。
OLED化での解消を2年前に予想
2024年10月、ディスプレイ業界の専門家であるロス・ヤング氏は、将来のiPad miniにOLEDディスプレイが搭載されると予想していました。
ヤング氏の予想を受けて当時、OLED化によってゼリースクロール現象が解消される可能性を取り上げていました。
今回のiPad mini(A20 Pro)でOLED採用が実現したことから、その可能性が現実になるのか、実際の表示品質が注目されます。
iPad mini 6の液晶で大きな課題に
ゼリースクロール現象はiPad mini 6で指摘され、後継のiPad mini(A17 Pro)では改善が期待されていました。
実際に、iPad mini(A17 Pro)では現象が目立ちにくくなったとの評価があったものの、完全には解消されていないという指摘されています。
AppleはiPad mini 6のゼリースクロール現象について、「液晶ディスプレイの正常な動作」と説明していました。
ゼリースクロール現象の比較動画
iPad mini 6、iPad(第9世代)、Samsung Tab S7+を用いて、ゼリースクロール現象が生じる様子を撮影した動画を下記のYouTubeチャンネルで確認できます。
この動画では、iPad mini 6のリフレッシュレートが60Hzであることが原因でゼリースクロール現象が発生するとの指摘は間違っており、Samsung Tab S7+の120Hzディスプレイでも発生していると解説されています。
今回のOLED搭載モデルで同様の比較を行えば、液晶モデルからどの程度改善したのか、より明確になるはずです。
Photo: Apple Hub/Facebook

