Apple対Epicに新局面!裁判所が法廷侮辱罪を調査へ

米カリフォルニア北部地区連邦地方裁判所は現地時間4月30日、Epic Gamesの主張を認め、AppleがApp Storeの決済方法に関する裁判所の命令に従っていないとして、Appleが法廷侮辱罪にあたるか調査を求める判断を下しました。Appleは当面は命令に従うものの、判決に不服を申し立てる方針です。
Appleが裁判所命令に違反、法廷侮辱罪の調査
2020年から続いているAppleとEpic Gamesの裁判において、裁判所は2021年9月に、App Storeの慣行が反競争的として差し止め命令を下し、App Store外部からの購入に対して27%の手数料を課すのをやめるよう命じました。
今回の判決では、Appleが裁判所の命令に故意に違反しているとして、連邦検事局に法廷侮辱罪の可能性を調査するよう求めています。
裁判所の文書では、財務担当副社長のアレックス・ローマン氏が法廷で虚偽の証言をしたほか、Apple社内で同社フェローのフィル・シラー氏が裁判所の命令に従うべきだと主張したのに対してティム・クック最高経営責任者(CEO)が無視した、と指摘しています。
App Store外部への移動時のページは「脅迫的」
Appleは、2024年1月にApp Store外部での決済ページに移動することを認めたました。
しかし、App Store外部に移動する際、この先のページで起きるプライバシーやセキュリテイの問題についてAppleは一切の責任を負わない旨の警告画面を表示させることを義務付けています。
今回の判決では、この画面が脅迫的であることも問題視しています。
米メディア9to5Macが、裁判所が問題があると指摘した表示(左)と、裁判所が推奨する表示(右)を並べた画像を掲載しています。

Epic、「Fortnite」配信再開を申請。Appleは不服申し立て
Epic Gamesのティム・スウィーニーCEOは、今回の判決を歓迎し、同社のヒット作「Fortnite」の、アメリカをはじめ全世界のApp Storeでの配信再開を申請するとのコメントを発表しました。
Appleは、当面は裁判所の判断に従うものの、判決には「強く反対する」と不服を申し立てる方針を示しており、Apple対Epic Gamesの法廷闘争が完全に決着するのはまだ先のこととなりそうです。
判決はApple業績発表の前日
Appleは、現地時間5月1日に2025年度第2四半期の業績発表を予定しています。
業績発表では、機関投資家からティム・クック最高経営責任者(CEO)ら経営陣に、今後の業績の見通しなどについて質問が投げかけられます。
今回の判決は、重要な収入源であるサービス部門の中核をなすApp Storeの今後の収益性を左右しかねないだけに、機関投資家からの質問が集中することも予想されます。