DNP、5Gミリ波の到達エリアを拡げる電波反射板を開発~遮蔽物を回避して電波を届ける

5Gネットワークの画像

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4G通信よりもはるかに高速な通信ができるミリ波による5G通信には、一方で、直進性が高く到着距離が短いという欠点があります。このため、ビル群などでは電波が遮蔽されがちであり、電波をまんべんなく届けるには多数の基地局が必要です。
 
大日本印刷(DNP)は、5G通信のミリ波を狙った方向に反射することで到達エリアを広げる電波反射板(リフレクトアレイ)を開発しました。ミリ波による5G通信網の普及を助けるかもしれません。

5Gミリ波を狙った方向に反射し遮蔽物を回避

この電波反射板は、単純に電波を鏡のように正反射する金属反射板とは異なり、特定の周波数の電波を自由な方向に反射できる点が特長です。
 
電波をうまく反射することで、これまで5Gミリ波が届きづらかったビルの間などにも電波を届けることができ、5Gミリ波による高速な通信網を広げることができます。
 
DNPの電波反射板のイメージ図
 
単純に反射させるだけでなく、反射波を広げたり絞ったりすることもでき、より広いエリアに届けたり特定の装置へ反射波を集めたりすることも可能です。
 
DNPの電波反射板のビームプロファイル調整
 
また、特定の周波数帯以外の電波は透過させるため、ミリ波以外の既存電波への影響を抑えることができます。
 
この電波反射板は電源不要かつ基地局や中継機器の設置と比べて低コストであるため、5Gミリ波の通信環境を手軽に改善することが可能です。

優れたデザイン性でビル壁面や看板等への設置も

この電波反射板はデザイン性にも優れています。
 
電波反射板は特定の周波数帯のみを反射するための「周波数選択反射層」と、入反射する電波の方向を決める特殊な誘電体層である「反射方向制御層」、一番外側の「デザインカバー層」で構成されています。
 
DNPの電波反射板の構成
 
デザインカバー層には絵柄などを印刷できるため、たとえばビルの壁面に設置したり、看板として設置したりしても違和感がありません
 
この電波反射板は街中以外でも、電波遮蔽物が多く存在する工場、イベントごとにレイアウトが変わる展示会場、エリア限定で情報を配信する競技場やアミューズメント施設などでの活用が見込まれています。
 
5Gミリ波通信はアメリカではiPhone12シリーズiPad Proが対応し、iPhone13シリーズでは従来に比べ対応モデルが拡大されるとみられています。

 
 
Source:大日本印刷
Photo:Pixabay
(ハウザー)

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