中古スマホ、購入時からSIMロック解除が可能に!総務省が方針決定と日経報道

総務省は、中古スマホ(スマートフォン)の購入直後からSIMロック解除を可能にする方針を固めた、と日本経済新聞が報じています。これまで新品に限られていたSIMロック解除を中古品にも拡大することで、格安SIMとも自由に組み合わせられるようになります。
中古では未対応だったSIMロック解除
新品で購入したスマホは、契約から一定期間経過するとSIMロックを解除できますが、中古品はSIMロック解除できない状態が続いていました。日本経済新聞によると、これは大手キャリアが「盗難品の不正利用防止」を理由として対応していないためとのことです。
そのため、中古スマホを購入すると、新品販売時のキャリアによるSIMロックが解除できず、新品販売時のキャリアの回線を利用する通信会社しか利用できないという制約があります。
この制約によって、中古スマホと格安SIMを組み合わせて通信料金を節約しようとしても、利用できる回線に制限がありました。
2015年5月以降発売の端末ならSIMロック解除が可能
総務省の方針が計画どおり実現すれば、2019年7月以降は、中古で購入したスマホに挿して使うSIMカードは、ユーザーが自由に選べることとなります。
SIMロック解除が可能となるのは、2015年5月以降に発売された端末で、iPhoneシリーズならiPhone6s/6s Plus以降のモデルが対象となります。
なお、2017年秋に発売されたiPhone8/8 Plus、iPhone Xは、SIMロック解除の手続きをしなくても格安SIMが利用可能となっています。
中古スマホのSIMロック解除手続き、今後検討
新品のSIMロック解除は、契約している携帯キャリアのWebサイトや販売店で手続きできます。
中古品のSIMロック解除手続きは、大手キャリアのシステム改修なども必要となるため、今後具体的なプロセスを詰める方針とのことです。
国内流通の少ない中古iPhone
スマホを買い替えたユーザーから端末を下取りした大手携帯キャリアは、中古端末の流通が盛んな海外に販売しています。
特にiPhoneのように世界共通で利用できる端末は、市場規模が小さい日本国内よりも海外市場に流出する傾向にあるため、日本国内における中古iPhoneの流通はまだ盛んとは言えません。
格安SIMの普及を図りたい総務省には、iPhoneの中古端末が国内で多く流通すれば、消費者の通信費を抑えられるという期待があるとみられます。
公取委、SIMロックや中古端末制限は独禁法違反の疑いを指摘
携帯電話関連で総務省との連携を強めている公正取引委員会は、6月に公開した報告書で、大手キャリアによるSIMロックや中古端末の流通制限が独占禁止法に抵触する恐れがある、と指摘しています。
7月には、中古スマホを扱う業界団体が「リユースモバイル関連ガイドライン検討会」を立ち上げ、ユーザーが安心して中古スマホを利用できるようガイドラインの検討を開始しています。同検討会には、総務省もオブザーバーとして加わっています。