Apple、Vision Proの廉価版を2025年末にも投入か

Apple WWDC23 Vision Pro

Apple WWDC23 Vision Pro
 
Appleが「空間コンピュータ」として発表したVision Proは、3,499ドル(約49万円)と高価ですが、Appleは普及価格帯モデルを2年〜3年程度で投入する計画だ、とBloombergのマーク・ガーマン記者が伝えています。ただし、Appleが消費者の関心を維持できるかが課題だ、とも同氏は指摘しています。

 

■3行で分かる、この記事のポイント
1. AppleはVision Proの廉価版の発売を計画していると報じられている。
2. スクリーン、プロセッサ、カメラの性能を引き下げてコスト削減か。
3. 発売時期は早ければ2025年末で、2モデル体制になると予測。

廉価モデルは「Apple Vision」か「Vision One」

Appleが世界開発者会議(WWDC23)で発表したVision Proは、ディスプレイ、カメラ、プロセッサのいずれも非常に高性能な部品を使用していることもあり、3,499ドル(約49万円)と、一般的な消費者には手を出しにくい価格となっています。
 
Apple WWDC23 Vision Pro
 
マーク・ガーマン記者は、AppleはVision Proに続いて、Proのつかない低価格モデル「Apple Vision」あるいは「Vision One」を2〜3年以内に投入するだろう、とニュースレターPower Onで述べています。

スクリーン、プロセッサ、カメラなどを変更し価格引き下げか

Vision Proを構成する部品のうち、カメラとセンサーアレイ、M2とR1の2つのAppleシリコン、2つの高精細ディスプレイが特に高価と考えられることから、低価格モデルではスクリーンの性能を下げ、チップはiPhone向けか旧世代のMac向けのものを使用し、カメラの数を減らすのではないか、と推測しています。
 
Apple WWDC23 Vision Pro
 
このほか、ヘッドバンドのデザインがシンプルなものになり、空間オーディオ対応の内蔵スピーカーの代わりにAirPodsを使用し、瞳孔間の距離調整を自動ではなく手動にし、3Dカメラなどの機能を省略するほか、製造工程の見直し、製造数増加によるコスト低下、低価格なフレームの使用などにより、数百ドルの引き下げができるのではないか、とガーマン氏は見ています。

妥協できない機能は外部スクリーンと操作方法

価格引き下げのためとはいえ、Appleが妥協しない機能もあるだろう、とガーマン氏は付け加えています。
 
EyeSightと名付けられた、装着者の目を表示する外部スクリーンや、視線と手の動きによる操作方法は、低価格モデルにも引き継がれるだろう、というのが同氏の見立てです。
 
Apple WWDC23 Vision Pro
 

「Vision One」発売は早ければ2025年末?

Appleは、廉価モデルを早ければ2025年末には発売する計画であり、同時期により高性能なプロセッサを搭載したVision Proの第2世代モデルを投入し、iPhoneとiPhone Proのような戦略を描いていると考えられます。
 
ただし、Vision Proの高価格により人々がこの製品カテゴリーから興味を失わず、廉価モデル投入まで待ってくれるかどうかが、Appleにとっての課題になるだろう、とガーマン氏はコメントしています。
 
Apple WWDC23 Vision Pro
 
なお、ガーマン氏は、Vision Proが噂レベルだった時期から、高性能なヘッドセット型デバイス「Reality Pro」に続いて、一部の機能を省略した普及価格帯モデル「Reality One」が投入されるだろうと報じていました。
 
 
Source:Power On/Bloomberg
(hato)

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この記事を書いた人

2013年からライター&編集担当として活動。2007年、駐在中のシリコンバレーで発売直後の初代iPhoneに触れて惚れ込む。iPhone歴は3GS→5s→6 Plus→7 Plus→XS Max→12 Pro Max→14 Pro。

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