iPhone16の新機能「カメラコントロール」の開発秘話
AppleのiPhone16シリーズには、新たに「カメラコントロール」というボタンが追加されています。この機能の開発経緯について、Appleの従業員2人がポッドキャスト番組で語りました。カメラコントロールとは、iPhoneカメラを素早く開き、よく使うカメラ設定にすぐアクセスできる機能です。
顧客体験を進化させることに焦点を当てて開発
Appleでヒューマンインターフェースデザイナーを務めるジョニー・マンザリ氏と、プロダクトデザイン担当シニアディレクターのリッチ・ディン氏は、「Design Tangents」というポッドキャスト番組に出演し、iPhone16シリーズの新機能であるカメラコントロールについて語りました。
まず、機能追加の経緯についてディン氏は、「顧客体験に焦点を当てており、新しいハードウェアやソフトウェアを作ろうとしたわけではない」と説明しています。
この考え方はカメラコントロールボタンの位置にも反映されていると、米メディアAppleInsiderは指摘しています。確かに、ボタンは意図的に目立たないように設計されているようです。
「普段使いのスマホと同じ感覚で使えることを目指した」とディン氏は語り、特別な機能として目立たせる意図はなかったようです。
社内の多様なチームが協力して機能を実現
カメラコントロールの実装には、センサーチームやデザインチームなど、さまざまなチームの協力が不可欠だったとマンザリ氏は述べています。
ただし、どのように開発が進められたかについては、顧客には感じさせたくないとも話しています。「ボタンを押すだけで、友人や家族の素晴らしい写真や動画が撮れること、それだけを目指していた」と説明し、それは社内チームの深いコラボレーションによって実現したのだそうです。
アイブ氏のいないデザインチームの新たなスタンスを感じる?
ジョナサン・アイブ氏がAppleの最高デザイン責任者を務めていたのは、すでに一昔前のことになりつつあります。彼とともに働いていた従業員たちも次々とAppleを離れており、最近のApple製品には、もはやアイブ氏の哲学が感じられないと言えるかもしれません。
顧客体験の進化に焦点を当てる姿勢は、アイブ氏にはあまりなかったのではないでしょうか。アイブ氏がデザインを手がけたMacBookのバタフライキーボードは、薄さを追求しすぎた結果、機能上の欠陥が発生するという、今のAppleでは考えられないような事態が起きていたことも記憶に新しいところです。
Source: Design Tangents via AppleInsider
Photo: Apple