インドiPhone工場の性差別問題、政府が対応に乗り出す

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インドの大都市チェンナイに位置するiPhoneの組立て工場で、既婚女性の雇用を不当に見送っていたことが明らかとなり、インド政府が調査に乗り出す事態にまで発展しています。

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雇用を増やしているが既婚女性は対象外

中国に取って代わるべく、iPhone量産の拠点をインドに移す動きは年々加速しています。

技術の蓄積も目覚ましく、2023年に登場したiPhone15シリーズのうち、ベースモデルのiPhone15/15 Plus(=Pro/Pro Maxではない)は、すでにインドで製造されています。

しかし製造規模を急速に拡大していても、現地での採用は性別や属性で選り好みされているようです。Reutersは6月25日(現地時間)、同国でiPhone量産を請け負うFoxconnの工場が、正当な理由なく既婚女性を不採用にしていると報じました。

インド政府が調査を命じる

男女平等が厳しく法律で定められている世の中にあって、性別や属性だけで雇用や待遇に差を設けることはご法度です。

ところが、Reutersによる取材や調査の結果、少なくとも2023年1月から2024年5月にかけて、Foxconnが「家庭の事情、妊娠、欠勤の多さ、身につける宝飾品が製造を妨げる」などの傾向を理由として、繁忙期以外は既婚女性を採用しないよう秘密裏にガイドラインを敷いていたことが判明しました。

Foxconnはただちに報道を否定、Appleはコメントを控えていますが、事態を重くみたインド政府は、チェンナイ工場の位置するタミル・ナードゥ州に詳細な調査を命じる計画です。

過去にも発生した組立て工場の不祥事

Appleがどこまで事態を把握していたのかは謎ですが、インドのiPhone量産工場でトラブルが起きたのは今回が初めてではありません。

2020年には、労働者が雇用環境の改善を求めて、Wistronの工場で大規模な暴動が発生、繁忙期に製造ラインが一時中断する事態となりました。

またFoxconnの中国工場で飛び降りが相次いだ際は、他ならぬティム・クック最高経営責任者(CEO)が現地の視察に訪れたこともあります。

Source:Reuters,BBC,Forbes

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この記事を書いた人

丸みを帯びたiPhone3GSの筐体に惚れ込み、Apple信者を誓ったのも今は昔。2014年から始めたライター業がきっかけで、気づけばXiaomiやHuaweiなど中華スマホにも手を出す浮気症に。

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