インドのiPhone組立工場で大規模暴動〜賃金未払いや搾取訴える

    Apple サプライヤー責任 2020

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    Wistronが所有するインドのiPhone組立工場で、賃金不払いに抗議した労働者たちがデモを起こし、およそ100人が逮捕される事件が発生しました。iPhone組立工場における過酷な労働環境は以前から中国でも問題視されてきましたが、インドでこのような大規模暴動が起こるのは初です。

    最大で4カ月賃金未払い

    今回大掛かりな暴動が起きたのは、インドのベンガルール付近に位置するWistronの工場です。この工場では主にiPhone SE(第2世代)が生産されています。
     
    暴動では従業員らが賃金の未払いや目減り、搾取を訴え、工場の窓ガラスや設備を次々と破壊しました。さらにはiPhoneが盗まれ車が放火されるなどし、警察が出動する事態に発展、これまでに100人が逮捕されています。AFPによると、従業員らは最長で4カ月もの間賃金を支払われていないと主張していますが、Wistron側は「身元不明の外部者が工場に侵入し、破壊行為を行った。目的は分からない」と反論しています。被害額は43.7億ルピー(約61億円)に達する見込みです。
     


     
    Wistronは2020年8月、インド南部のカルナータカ州のベンガルール郊外に設置した工場で、iPhone生産のために最大10,000人を採用すると発表していました。ただし報道によると、現地ではおよそ15,000人が働いており、大多数は派遣労働者だったとのことです。

    Pegatronで問題が起きたばかり

    Appleの公式コメントは現時点で出されていませんが、劣悪な労働環境を指摘する問題は過去に中国でも度々発生しているだけに、喫緊の対応が求められるところでしょう。
     
    なお、先月には同じiPhoneの組み立てサプライヤーであるPegatronが、Appleが独自に定めた「サプライヤーの行動規範(Supplier Code of Conduct)」に違反したことで、取引を一時停止されたばかりです。
     
    Appleや提携サプライヤーは中国からの工場移転を推し進めてきましたが、今後はインドでも同様に厳しい視線が投げかけられることとなりそうです。
     
     
    Source:AFP,WSJ,経済日報(1)(2)
    (kihachi)

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    この記事を書いた人

    丸みを帯びたiPhone3GSの筐体に惚れ込み、Apple信者を誓ったのも今は昔。2014年から始めたライター業がきっかけで、気づけばXiaomiやHuaweiなど中華スマホにも手を出す浮気症に。

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