Apple、iOS17.4でiPhone12のQi2充電速度をこっそり高速化
Qi2規格のワイヤレス充電器で、iPhone12シリーズもフルスピードの最大出力15ワットでのワイヤレス充電が可能になったことが確認された、とMacWorldが報じています。Appleは公式には発表していませんが、3月初旬に公開されたiOS17.4で対応した模様です。
iOS17.4でiPhone12もQi2で15W高速ワイヤレス充電可能に
iOS17.4をインストールしたiPhone12をQi2規格のワイヤレス充電器で充電したところ、Apple純正のMagSafe充電器と同等のスピードで充電でき、MagSafeと同様のアニメーションも表示された、とMacWorldがテスト結果を報じています。
テストでは、Apple純正のMagSafe充電器とAnker製のQi2規格ワイヤレス充電器でiPhone12 Pro Maxを充電して比較したところ、両製品の充電速度は同等で、若干ながらAnker製充電器のほうが速いほどでした。
このほか、iPhone12を使ってのテストでもMagSafeとQi2の充電速度は同等であり、MacWorld
読者はBelkinのQi2規格ワイヤレス充電器でも高速充電できた、と報告しているそうです。
MagSafeをベースに開発されたQi2
Appleは2020年に発売したiPhone12シリーズで、磁気吸着式のMagSafe充電システムを導入し、MagSafe認証充電器の使用で最大15ワットの高速ワイヤレス充電を可能にしました。
一方、MagSafe認証を取得していないサードパーティー製のQiワイヤレス充電器は、最大7.5ワットに制限されていました。
2023年1月、MagSafeをベースに策定されたQi2規格を業界団体WPCが発表し、Qi2規格準拠のワイヤレス充電器なら、AppleのMagSafe認証を取得していなくても最大出力15ワットでの充電が可能となりました。
2023年9月にはAnker、Belkin、Mophieが対応製品を発表したのを皮切りに、2023年末以降に各社から新製品が続々と投入されています。
iOS17.2でQi2対応、ただしiPhone12が取り残される
iPhoneは2023年12月公開のiOS17.2でQi2に対応し、iPhone13、iPhone14、iPhone15の各シリーズが、MagSafeに加えてQi2規格の充電器で最大15ワットの高速ワイヤレス充電が可能となりました。
しかし、初めてMagSafeに対応したモデルであるiPhone12シリーズは、Qi2対応から取り残されてしまっていました。
BelkinとAnkerの対応と見解
Appleの主要パートナーであるBelkinは、Qi2ワイヤレス充電器の製品説明で、iPhone12シリーズを最大15ワットの高速充電が可能な製品のリストに掲載しています。
筆者が確認したところ、米国版のBelkin公式サイトではiPhone12もQi2の最大15ワット出力に対応と記載されていました。なお、4月1日時点で閲覧した日本版サイトでは、Qi2の15ワット高速充電に対応するのはiOS17.2をインストールしたiPhone13以降のモデルのみと記載されていました。いずれ更新されると思われます。
Ankerは、iPhone12シリーズはMagSafeには対応しているが、Qi2規格はiPhone12発売後に策定されたため対応しておらず、従来のQi規格とMagSafeに対応している、と説明しています。
Ankerはまた、Qi2は下位互換性があるため従来のQi規格対応のiPhoneをQi2充電器で充電することはできるものの、最大出力はQi2規格の15ワットではなく、Qiの7.5ワットに制限される、とも指摘しています。
iPhone12ユーザーの充電器選び、選択肢が拡大
外観デザインの刷新により大ヒットモデルとなったiPhone12シリーズは今でも愛用するユーザーが多いだけに、Qi2充電器で最大15ワットの高速充電が可能になったのは、とても喜ばしいと思います。
Qi2規格対応ワイヤレス充電器には、各メーカーから個性的な製品が多く発売されていますので、選択肢も豊富になりつつあります。
筆者はiPhone12 Pro Maxをサブ端末として日常的に使用していますが、Apple純正のMagSafe充電器、従来型のQi充電器と有線充電しか使っておらず、Qi2での高速充電を試せていません。近いうちにQi2充電器での充電速度をテストしてみたいと思っています。
Source:MacWorld
Photo: Belkin Japan, Belkin US