Appleに唯一残された「CarPlay」も道のりは険しい?
Apple CarPlayは、2021年から対応車種が登場している自動車のためのインターフェースですが、ライバルサービスとの競争の中で厳しい状況に置かれている、とBloombergのマーク・ガーマン氏が伝えています。
市場シェアの35%を占めるAndroid Automotive
元々Googleのライバルサービスのシェア拡大を防ぐために考案されたApple CarPlayは、現在かなり押され気味となっており、今後の雲行きが怪しくなっています。
Googleは最初、Androidコンテンツを自動車で楽しめるAndroid Autoという機能を提供していましたが、2017年に自動車自体にインストールできる新たなOS「Android Automotive」をリリースしました。
それから7年の月日が経過し、今ではAndroid Automotiveは自動車OS市場でおおよそ35%を占めるに至っています。
Polestar、Porsche、BMW、Volkswagen、Ford、Lucid、Stellantis、General Motorsなど、Androidを搭載して出荷する自動車ブランドが跡を絶たない状態となっています。
Appleに勝ち目はあるのか?
GoogleのライバルOSが台頭する中でも、AppleはCarPlayを独立したOSへと仕立て上げる気はなく、あくまでもiPhoneベースのままです。こんな状況でAppleに勝ち目はあるのでしょうか。
CarPlayを採用しているのは今のところPorscheとAston Martinだけで、新バージョンのCarPlay搭載が決まっているのはAston Martin DB12という超高級車のみとなっています。
ガーマン氏は、Appleがそれぞれの車種ごとにカスタマイズするのではなく、自動車メーカーが自分でソフトウェアをカスタマイズできるような仕組みにするなどの打開策を示していますが、実現可能かどうかは定かでありません。
Apple Carの断念でCarPlayの重要度が上昇
Appleは長年開発を続けてきた自動運転車Apple Carの開発を断念すると最近従業員に対して通達したばかりです。
Apple Carの可能性がなくなった今、CarPlayのみがAppleにとって自動車業界に食い入る唯一の手段となっていますが、すでにライバルに先を越された感は否めません。
Appleのティム・クック最高経営責任者(CEO)はPorscheの新モデル発表イベントにサプライズ出演したことで話題になりましたが、自動車にはほとんど触れておらず、複合現実(MR)ヘッドセットVision Proのプロモーションを行うことに終始しています。
Photo: Apple