Appleの再生基金にTSMCと村田製作所が出資
Appleが推し進める、高品質な炭素除去を行うためのRestore Fund(再生基金)に、台湾のチップメーカーTSMCと日本のiPhoneサプライヤー村田製作所が新たに出資したとの発表がありました。
2025年までに100万トンの二酸化炭素を除去
Appleの再生基金への投資額はそれぞれ、TSMCが5,000万ドル(約73億8,000万円)、村田製作所が3,000万ドル(約44億3,000万円)であるとのことです。
すでにAppleが先行して行っていた最大2億ドル(約295億2,500万円)の投資と合わせると、総資産額は2億8,000ドルにまで増加します。
実績ある森林管理者であるSymbiosis、BTG Pactual Timberland Investment Group、Arbaro Advisorsとパートナーシップにより、2025年までに100万トンの二酸化炭素を大気から除去することを目指しているそうです。
2030年末までにバリューチェーン全体でカーボンニュートラルに
Appleは2030年末までにバリューチェーン全体でカーボンニュートラルを達成することを目標として掲げており、直接排出の削減により2015年の水準から75%削減し、残りの排出量は高品質な炭素除去によって対処するとのことです。
今回Appleの再生基金に出資したTSMCと村田製作所は、2030年までにすべてのApple製品の製造で100%再生可能電力を使用することを確約しているそうです。
“カーボンニュートラル”な製品はなくなるかも?
Appleは昨年9月のイベントで、同社初となるカーボンニュートラル製品としてApple Watch Series 9とApple Watch Ultra 2を発表しましたが、今後この“カーボンニュートラル”という表現が少なくとも欧州連合(EU)では使用できなくなります。
EUでは2026年までに直接排出の削減が100%でないカーボンクレジットを使ったカーボンニュートラルの主張が禁止となることが決まっているため、少なくともEU域内ではAppleのカーボンニュートラル製品は姿を消すと予想されます。
Photo: Apple