Apple Watch、ストレスに晒されるアプリ開発者のメンタルヘルスを警告

Apple Watch 心拍数の警告

ストレスフルな職場で働いていたiOSアプリ開発者の男性が、Apple Watchからの警告をきっかけに医師に相談したところ、ストレスが原因と指摘され、退職して健康状態が改善したと報じられています。男性は、メンタルヘルスが身体的健康に重要な影響を及ぼしていることを知った、と語っています。

目次

長時間労働、非協力的な経営陣に追い詰められる開発者

25歳のシャラス・スリラム氏は、iOSアプリ開発者としてインドのバンガロールを拠点とするスタートアップ企業で熱心に働いていました。

しかし、深夜や週末に及ぶ長い労働時間、非協力的な経営陣という職場環境は過度なストレスにさらされており、退職者が相次いだことでさらに仕事量が増え、労働時間とストレスが増えるという状況にありました。

会議のたびに、Apple Watchから高い心拍数の通知を受け、気分が悪くなり回復に数時間を要することも珍しくありませんでした。

医師「ストレスなく働く方法を見つけるか、すぐに退職を」

疲れ果てて帰宅し、熱っぽさを感じたある夜、スリラム氏はApple Watchから異常な心拍数の警告を受け取りました。スリラム氏は、心拍数と心電図の測定結果を内科医に見せて相談することにしました。

心電図と血液検査をはじめとする検査結果を見た医師は、心拍数の問題はストレスによるものだと結論づけました。

そのうえで医師は、今の会社でストレスなく働ける方法を見つけるか、すぐに仕事を辞めるかのどちらかを選ばないと、同じストレスレベルであと数カ月働き続ければ心臓に長期的な悪影響が及ぶ可能性がある、と警告しました。

職場を移り、健康を取り戻す

スリラム氏は新しい仕事を見つけ、数週間後に退職しました。新しい職場に移ったスリラム氏は、体調の改善を実感しています。他の生活習慣を何も変えていないのに、平均心拍数は83から71へと大きく低下し、睡眠やその他のバイタルサインも大幅に改善されました。

もし、Apple Watchからの心拍数の通知がなかったら、自分のストレスやメンタルヘルスが身体的健康に関係していることを真剣に考えることはなかった、とインドメディアTimes Nowに語るスリラム氏は、Appleのティム・クック最高経営責任者(CEO)に感謝のメールを書いたそうです。

多くの人の命を救っているApple Watch

Apple Watchはこれまで、異常な心拍数を検出すると通知する機能によって、多くの人の命を救っています。

Apple Watchの心拍数通知は、設定した心拍数よりも上回る、下回る状態が10分間続いている場合に通知する機能です。Apple Watch Series 1以降の各モデルで利用可能です。

iPhone Maniaでも、病院で見落とされていた肺血栓が見つかり一命を取り留めたケースや、ヘルスケアデータを家族で共有していたことで父親の心拍数異常を知ることができたケースをご紹介しています。

心拍数の通知設定は、iPhoneの「Watch」アプリの「心臓」から設定できます。

これまでに記録された心拍数は、iPhoneの「ヘルスケア」アプリから確認可能です。

Photo:Apple

この記事がお役に立ったらシェアお願いします

この記事を書いた人

2013年からライター&編集担当として活動。2007年、駐在中のシリコンバレーで発売直後の初代iPhoneに触れて惚れ込む。iPhone歴は3GS→5s→6 Plus→7 Plus→XS Max→12 Pro Max→14 Pro。

特集

目次