iPhone SE(第4世代)用OLED供給に追い風か〜BOEがSamsung上回る
iPhone SE(第4世代)に搭載される有機EL(OLED)ディスプレイを供給すると噂の中国BOEが、折りたたみディスプレイの出荷枚数においてSamsung Displayを上回ったことが報告されました。
折りたたみディスプレイの製造は平面ディスプレイよりも技術的難易度が高いと考えられますので、BOEの製造技術が向上していると思われ、噂のiPhone SE(第4世代)へのOLEDディスプレイ供給に向けて追い風となりそうです。
■3行で分かる、この記事のポイント
1. iPhone SE(第4世代)用OLEDディスプレイは、BOEが供給するとみられている。
2. BOEはiPhone15用OLEDディスプレイで品質問題を抱えて解消に時間がかかったが、技術力は順調に向上しているかもしれない。
3. 折りたたみディスプレイの出荷枚数において、BOEがSamsung Displayを上回った模様。
折りたたみスマホもディスプレイも奮わないSamsungグループ
iPhone15およびiPhone15 Plus用OLEDディスプレイの製造では、Dynamic Island周りからの光の漏れを解消するのに時間を要し量産開始時期が遅れたBOEですが、折りたたみスマートフォン向けディスプレイの製造と出荷は順調なようです。
ディスプレイ業界情報に詳しいDSCCの最高経営責任者(CEO)であるロス・ヤング氏によれば、2023年第4四半期(10月〜12月)の折りたたみディスプレイ出荷枚数において、BOEがSamsung Displayを上回ったとのことです。
また、Samsungは折りたたみディスプレイの仕入れ数に関してHuaweiを下回った=Galaxy Zシリーズの製造台数が少なかったようですので、グループとして自体は深刻です。
この状況では確かに、Galaxy Z Fold6 FEの投入も検討せざるを得ないのかもしれません。
品質向上でiPhone SE(第4世代)用OLEDディスプレイ独占供給か
対して、BOEにとってシェアが向上しているのは、中国ベンダーの折りたたみスマートフォンの出荷台数が増えているのを差し引いても、品質面でSamsung Displayのものに比肩しつつある兆候でしょう。
この状況であれば、iPhone SE(第4世代)用OLEDディスプレイをBOEが独占供給するのに障害はないはずです。
BOEはSamsung DisplayやLG Displayよりも安い卸価格を提示すると噂されていますので、iPhone SE(第4世代)の販売価格抑制に貢献してくれると期待されます。
Photo:Ross Young(@DSCCRoss)/X, iPhone Mania
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