暗号破られたAirDrop、中国の手によるプライバシーの危機

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中国の国家機関が、Apple製デバイスで近くのユーザーに写真や書類などのコンテンツを容易に共有することができるAirDrop送信者の電話番号とメールアドレスを取得する方法を考案したと、Bloombergが伝えています。
 

■3行で分かる、この記事のポイント
1. 中国の国家機関が、AirDropの送信者の電話番号とメールアドレスを取得する方法を考案した。
2. AirDropを使うとApple製デバイス同士で近くのユーザーに写真や書類などのコンテンツを容易に共有できる。
3. AirDropは2022年末時点で「すべての人」との共有オプションは10分までの制限がかけられるようになった。

中国では以前から抗議活動での使用が問題視

AirDropは、以前から中国で不特定多数の人に抗議内容を伝達する手段として活動家が使用していましたが、これを問題視した中国政府はAppleに対して働きかけを行った模様で、2022年末時点で「すべての人」と共有オプションが中国国内においてのみ10分までの制限がかけられるようになりました。
 
その後、iOS16.2の正式版から世界中すべての地域でAirDropの「すべての人」との共有オプションが10分後に「連絡先のみ」に戻るように設定変更が行われました。

中国政府は暗号化を破ることに成功?

今回、中国の国家機関がAirDropの暗号化を破ることに成功、コンテンツの送信者の電話番号およびメールアドレスを取得できるようになった、と報じられています。
 
この北京の研究所によれば、AirDropを使用するiPhoneの暗号化されたデバイスログをクラックすることに成功したとのことで、「(前略)不適切な発言や潜在的な悪影響の拡散を防ぐことができる」との声明が出されています。
 
カナダ議会を構成する議院の一つは以前から中国政府によるAirDrop制限を抗議者たちの弾圧につながっていると非難していましたが、AirDropの暗号化の解除はまた議論を呼ぶことになりそうです。
 
 
Photo:Apple
(lexi)

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この記事を書いた人

ARラボ出身の猫愛好家。往年のMacユーザーで、iPhone使用歴は10年以上。

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