Foxconnの苦悩、iPhone製造における中国企業の受注割合がじわり増加

iPhone15:15 Pro AH_1200

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Appleは地政学的リスクを減らすため、iPhoneの製造を中国以外の国の工場に移管することを計画していると以前から噂されていますが、一方、サプライヤーとしては中国Luxshare Precisionの受注台数が徐々に増加しているようです。
 
最近の、海外の報道や市場調査会社の分析では、Luxshare Precisionが受注したiPhone15シリーズおよびiPhone15 Proシリーズの製造担当割合が増加している模様です。

■3行で分かる、この記事のポイント
1. Appleは中国本土に偏っているiPhoneの製造工場を、地政学的リスクを減らすため他国に分散することを計画と噂。
2. 製造を担当するサプライヤーは、台湾Foxconnの製造担当割合が減少、中国Luxshare Precisionの製造担当受注割合がハイエンドモデルで増加。
3. Foxconnは2年続けて厳しい状況におかれており、その影響だけではないとしても株価が年初来安値に近づいているのを確認。

2023年5月の、サプライヤー別製造担当割合

2023年5月時点で、iPhone15シリーズおよびiPhone15 Proシリーズの製造担当割合は下記のようになると考えられていました。
 

サプライヤー iPhone15 iPhone15
Plus
iPhone15
Pro
iPhone15
Pro Max
Foxconn 〜70% 〜70% 〜70%
Luxshare 〜25% 〜60% 〜25%
Pegatron 〜35% 〜30%
Tata 〜5% 〜5%

2023年12月中旬の、サプライヤー別製造担当割合

現時点で、iPhone15シリーズおよびiPhone15 Proシリーズの製造担当割合は下記のように変化しているようです。
 

サプライヤー iPhone15 iPhone15
Plus
iPhone15
Pro
iPhone15
Pro Max
Foxconn 70% 65% 65%
Luxshare 25% 60% 35%
Pegatron 35% 35%
Tata 5% 5%

 
Foxconnだけが受注を減らし、Luxshare PrecisionとPegatronの受注割合が増加していることになります。
 
特に、Luxshare Precisionは原価率が高い=製造担当時の利益率も高いと考えられるiPhone15 Pro Maxの受注割合が当初予想された30%から35%に増加しています。
 
Foxconnの受注割合が減少したのは中国当局による税務調査や土地利用に関する調査が影響していると考えられますが、一度減少した受注割合が今後増加するのか、昨年の新型コロナウイルス感染症流行に伴う工場の稼働停止に続き、Foxconnにとって悩ましい状況です。
 
Luxshare PrecisionはVision Proを独占的に製造する見通しですので、何らかの対抗策を講じなければ、Foxconnの受注額が漸減的に減少することが懸念されます。
 
そうした懸念が影響しているとは限りませんが、Foxconnの株価は、2023年9月19日に60.7台湾ドルを記録するも、本日の株価は52.0台湾ドルと低迷しています。
 
ユーザーとしては、サプライヤー各社の受注合戦が激化することによる請負金額の値下げ、販売価格の値上げ抑制につながることを期待します。
 
 
Photo:Apple Hub/Facebook
(FT729)

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