米国の制裁が促したHuaweiの技術進化:7nm、5GそしてAndroidとの決別
Huaweiはアメリカの制裁により、同国の技術が使われた5G通信対応チップが購入できなくなったことは記憶に新しいでしょう。
しかし同社の最新スマートフォン「Mate 60 Pro」を分解したところ、中国国内のサプライヤーが提供する部品の技術レベルが大幅に向上しており、米国の技術にかなり迫っていることが判明しました。
■3行で分かる、この記事のポイント
1. HuaweiのMate 60 Proが搭載する部品の技術レベルはかなり進化している。
2. 中国の半導体、5G関連技術と欧米の技術の格差はかなり狭まっている。
3. HuaweiはHarmonyOSを今後Androidアプリ非対応とする計画。
中国発の7nm SoCを搭載
Mate 60 Proは、Huaweiが設計、中国の半導体ファウンドリSMICが7ナノメートル(nm)プロセスで製造したシステムオンチップ(SoC)を搭載しているという事実は、同製品の発表当時(2023年8月)、大きな話題を集めました。
HuaweiはQualcommの力を借りなくても、自らSoCを設計可能であることを意味するからです。
欧米との技術格差は今後確実に縮小する
そしてTechInsightsがMate 60 Proを分解した結果、SoCだけでなく、5Gベースバンドプロセッサ、モバイル無線関連部品の技術も大きく進化していることがわかったそうです。
Tech Insightsは、2023年中には中国の技術と欧米の技術の差は埋まらないだろうが、中国政府が今後さらに国内の技術支援に本腰を入れれば、その差は確実に狭まると述べています。
Mate 60 Proが搭載するRFスイッチはMaxscend Microelectronics製、パワーアンプモジュールはBeijing OnMicro Electronics製で、どちらも中国の企業です。
Androidと決別!HarmonyOSを推進
またHuaweiは、自社開発のモバイルOS、HarmonyOSの次のアップデート以降は、Androidをベースとしたアプリには対応せず、HarmonyOSのネイティブアプリにのみ対応するとしています。
Androidとは完全にたもとを分かち、HarmonyOSのエコシステムを構築するのが狙いと見られます。
次世代OSとなるHarmonyOS Nextのプレビュー版は、2024年第1四半期(1月〜3月)に公開される見通しです。
Source:TechInsights, Bloomberg, SCMP
(lunatic)