Appleの2023Q2におけるiPhone生産台数、前年同期比で21%もの大幅減に

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2023年第2四半期(4月〜6月)におけるスマートフォンの生産台数において、AppleのiPhone生産台数は4,200万台と、前四半期(1月〜3月)と比べ21.4%も減少したことがわかりました。
 
これは生産台数上位6社のなかでは、最大の減少幅となっています。

■3行で分かる、この記事のポイント
1. 2023Q2の世界スマホ生産台数は四半期としては過去10年で最低に。
2. AppleのiPhone生産台数は上位6位の中で減幅が最大。
3. iPhone15/15 PlusのCIS不足は今も続いている模様。

2023年第2四半期のスマホ生産台数は過去10年間で最低レベル

調査会社TrendForceによると、世界スマートフォン生産台数は2023年第1四半期(1月〜3月)に前四半期から20%減少、2023年第2四半期にはさらに前四半期比で6.6%減少し、生産台数は2億7,200万台となりました。
 
このため2023年上半期(1月〜6月)の世界スマホ生産台数は5億2,200万台となり、前年同期比で13.3%の減少を記録しました。
 
TrendForceによると、2023年第2四半期の2億7,200万台という数字は、四半期としては過去10年間で最低。また2023年上半期の5億2,200万台は上半期としては同じく過去10年間で最低の数字とのことです。

2023Q2のスマホ生産台数が落ち込んだ理由とは

2023年第2四半期のスマホ生産台数が落ち込んだ理由として、TrendForceは3つの理由を挙げています。
 

  1. 中国でのパンデミックによる制限により、需要が増えなかった。
  2. 新興のインド市場での人口増による購買力の高まりが、まだ需要に転換されていない。
  3. 当初は在庫がはければメーカーの生産レベルも平常に戻ると推測されていた。しかし現在の経済低迷が消費者の支出を抑制、上半期の生産が予想よりも落ち込んだ。

Transsionが初めて5位にランク入り

2023年4月〜6月のスマホ生産台数のベンダー順位では、中国Transsion(傘下のブランドとしてTECNO、Infinix、itelを含む)が、初めて5位にランク入りしました。
 
一方でVivo(Vivo、iQoo含む)は、スマホ需要が世界的に低迷しているのを見据えて生産台数を抑えたため、順位が6位へ下がったとTrendForceは説明しています。
 
TrendForce

iPhone15/15 Plus用CIS不足が今も続く

Appleは上位6社のなかでは、生産台数が前四半期比で21.2%減と、もっとも大きな減少となりました。ただしAppleの場合、9月の新製品発表に備え、第2四半期は生産台数を抑える傾向にあるのも事実です。
 
そして非常に気になるのが次の部分です。
 

近く登場するiPhone15/15 Plusは、CMOSイメージセンサー(CIS)の歩留まりが低いという問題に直面しており、第3四半期(7月〜9月)の生産性に影響が出る可能性がある。

 
TrendForceの情報が正しければ、iPhone15/15 Plus用CISの不足問題は、現在も解決されていないことになります。
 
なおリーカーのRevegnus氏(@Tech_Reve)は、CIS不足がもっとも深刻なのはiPhone15 Pro Maxで、同モデルの発売日はほかのモデルよりも最大4週間遅れると、Xに投稿していました。
 
 
Source:TrendForce
(lunatic)

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この記事を書いた人

元某業界新聞社の記者。その後フリーライターとして各方面で執筆、英日翻訳家としての著書も多数。2014年から本メディアでライター、編集記者として活動中。アメリカ在住(現在は日本に滞在中)。iPhone使用歴は12年以上。

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