iPhone15/15 Plusの広角カメラ改良で間接的に利益を得る企業とは

 
今秋発売見込みのiPhone15シリーズにおいて、ベースモデルであるiPhone15、iPhone15 Plusの広角カメラが、4,800万画素にアップグレードされるとの説が濃厚です。
 
カメラの改良に伴い、新技術を用いた新たなCMOSイメージセンサー（CIS）が採用されている模様ですが、これにより間接的に利益を得ているメーカーがあると、Appleのサプライヤー情報に詳しいTF International Securitiesのアナリスト、ミンチー・クオ氏が述べています。

■3行で分かる、この記事のポイント
1. ソニーはiPhone15/15 Plus向けCISの歩留まりが上がらず、Apple向け供給で手一杯。
2. そのためソニーによるAndroid向けCIS供給数が激減。
3. 結果、Will SemiのCIS供給数が増えている。

iPhone15向けCIS生産に忙しくAndroid向けが大幅減に

iPhone15/15 Plus向け4,800万画素カメラ用のCMOSイメージセンサーを生産しているのはソニーですが、新たなデザイン採用のためか歩留まりがなかなか上がっていないといわれています。ちなみに現行モデルであるiPhone14/14 Plusの広角カメラの画素数は1,200万画素です。
 
そのためソニーはCMOSイメージセンサーの生産規模を100％〜120％拡大し、Appleの需要に応えようとしていますが、AppleのiPhone15/15 Plusを重視するあまり、高価格帯のAndroidスマホ向けCISの供給量が犠牲となり、大幅に減少しているとクオ氏は報告しています。

Will Semiが間接的に利益を得ている

ソニーから十分な数のCMOSイメージセンサーを調達できなくなったハイエンドのAndroidスマホメーカーは、代替サプライヤーに発注せざるを得ません。
 
クオ氏によるとソニーに代わってハイエンドのAndroidスマホ向けにCMOSイメージセンサーを供給しているのが中国Will Semiで、同社の高性能CMOSイメージセンサーの供給数は2023年7月以降、大きく増えているそうです。
 
Will Semiの高性能CMOSイメージセンサー市場におけるシェアは、2023年の3％〜5％から2024年には10％〜15％、2025年には20％〜25％へと拡大するとクオ氏は予想しています。

HuaweiとSmartSensが緊密な関係に

そしてソニーのCMOSイメージセンサー生産能力と研究開発リソースがAppleに大きく振り分けられているため、Huaweiがソニーに代わり、高性能CMOSイメージセンサーサプライヤーであるSmartSens Technologyに近づき、両社の関係が緊密になっていると、クオ氏は報告しています。

 
 
Source:Ming-Chi Kuo/Medium
Photo:Apple Hub/Facebook
(lunatic)