Apple、英当局のプライバシー新方針にノー〜iMessageのサービス停止を勧告

Apple Battersea

Apple Battersea
 
Appleは、英国政府がメッセージングサービスにエンドツーエンド暗号化のバックドアを提供することを義務付ける法案が成立する可能性に直面し、英国内でiMessageおよびFaceTimeをサービス停止する、と勧告しました。
 

■3行で分かる、この記事のポイント
1. 英政府はメッセージングサービスのプライバシーを弱める新法案を審議中。
2. Appleは全面的にノーを突きつけており、意見書も提出している。
3. 英国内でのみiMessageとFaceTimeがサービス停止となる可能性がある。

Appleは9ページにわたる意見書を提出

英国内で新しいオンライン安全法案が現在審議されていますが、Apple、WhatsApp、Signal、その他のサービスは、この提案に反対の声を上げています。
 
英国政府は、エンドツーエンド暗号化されたメッセージをスキャンし、児童虐待やその他の違法コンテンツをスキャンする機能を求めていますが、これに対してAppleは全面的なノーを突きつけています。
 
Appleは法案への反対理由を記した9ページにわたる意見書を提出しています。同社は、エンドツーエンド暗号化のためのバックドアや、製品のセキュリティ機能の変更をリリース前に報告しなければならないこと、不服申し立て手続きが行われる前にセキュリティ機能を無効にすることを強制されることなどの要件に強く反対しています。

iMessageとFaceTimeをサービス停止にすると勧告

問題の法案は現在、8週間の協議期間に入っていますが、Appleはあらかじめ、全ユーザーのセキュリティを弱めるような変更は一国のために行なわないとの方針を示しており、代わりに英国の顧客にはiMessageとFaceTimeを使えなくすると勧告しています。
 
Appleも以前、iCloud写真向けの独自のCSAMスキャン機能の展開を計画していたことがあります。同機能は英政府のものよりもプライバシーを保護するものでしたが、ユーザーや人権団体からの反発を受け、実装を断念しています。
 
 
Source:BBC via MacRumors
Photo:Apple
(lexi)

この記事がお役に立ったらシェアお願いします

この記事を書いた人

ARラボ出身の猫愛好家。往年のMacユーザーで、iPhone使用歴は10年以上。

特集

目次