2023年4〜6月の世界PC出荷台数、上位5社ではAppleのみ前年同期比でプラスに

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2023年第2四半期(4月〜6月)の世界PC出荷台数において、上位5社で前年同期比の数字がプラスとなったのはAppleのみであることが、調査会社IDCの調べで明らかになりました。
 
ちなみに同四半期におけるPC出荷台数の総数は6,160万台で、2022年第2四半期の7,110万台から13.4%の減少となっています。

■3行で分かる、この記事のポイント
1. IDCが2023年4月〜6月の世界PC出荷台数の調査データを公開した。
2. 世界PC出荷台数は6四半期連続で前年同期比マイナスとなっている。
3. 上位5社のうち前年同期比でプラス成長となったのはAppleのみだった。

6四半期連続のマイナスに

IDCの調べによれば、PC出荷台数が前年同期比でマイナスとなるのはこれで6四半期連続となります。同社は一般消費者、商用の両方でPC需要が低迷していること、またIT予算がハードウェア以外に充てられていることを原因として挙げています。
 
PC需要の低迷により、在庫レベルが平時を上回る状態が通常よりも長くなっています。在庫過剰は流通チャンネルだけでなく、サプライチェーンでも起きているそうです。
 

世界PC出荷台数と市場シェア〜上位5社

企業名 2Q23出荷台数 2Q23市場シェア 2Q22出荷台数 2Q22市場シェア 2Q23/2Q22成長率
1.Lenovo 14.2 23.1% 17.4 24.5% -18.4%
2.HP 13.4 21.8% 13.5 19.1% -0.8%
3.Dell 10.3 16.8% 13.2 18.6% -22.0%
4.Apple 5.3 8.6% 4.8 6.8% 10.3%
5.Acer 4.0 6.4% 4.9 6.9% -19.2%
その他 14.4 23.3% 17.2 24.2% -16.5%
合計 61.6 100.0% 71.1 100.0% -13.4%

※数字は予測による。出荷台数の単位は百万台。

プラス成長となったのはAppleのみ

企業別に見ると、Lenovo、Dell、Acerの出荷台数は、前年同期比2桁マイナスと苦戦しています。
 
こうしたなか唯一Appleがプラス成長となったのは、2022年第2四半期に新型コロナウイルス感染症に起因する工場閉鎖で、供給が一時ストップしたためだろうと、IDCは分析しています。
 
一方HPが前年同期比0.8%減で持ちこたえたのは、同社は2022年に過剰在庫問題を抱えていたものの、今年に入って在庫レベルが正常化したからというのが、IDCの見方です。

厳しい状況が続くPC市場

PCメーカー各社は5年以上に渡り、厳しい舵取りを強いられています。2020年、2021年に直面した供給不足は避けたいのも、市場回復を全面的に信じることもできないからです。
 
そして購入する消費者側はコロナ禍以前の状況に戻りつつあり、PCよりもスマートフォンに予算を割いています。また企業では人工知能(AI)の導入などにより人員が削減され、PC購入予算も減るのではないかとIDCは予想しています。

 

 
 
Source:IDC
Photo:Apple
(lunatic)

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この記事を書いた人

元某業界新聞社の記者。その後フリーライターとして各方面で執筆、英日翻訳家としての著書も多数。2014年から本メディアでライター、編集記者として活動中。アメリカ在住(現在は日本に滞在中)。iPhone使用歴は12年以上。

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