5億ドルの賠償巡るVirnetXとAppleの法廷闘争、10年超かけて一段落へ

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10年以上続いている、VirnetXAppleとの法廷闘争が一段落しそうです。米国の控訴裁判所はAppleの求めに応じて、問題となってきた特許を無効としました。

パテント・トロールの代表格

VirnetXは2010年、Appleが提供するFaceTimeやiMessageといったサービスが、自社の特許を侵害しているとして、巨額の訴訟を複数起こしました。
 
今回の控訴裁判所の判断は、米特許商標庁(USTPO)の特許審判委員会が出した意見にもとづいており、VirnetXが持つ2つの特許を無効とするものです。これによって、2020年にAppleが支払いを命じられた5億280万ドル(約670億円)の賠償命令が覆される公算が大きくなりました。
 
あらかじめ大まかな特許だけを押さえ、その技術に関連する製品を作った企業から巨額の賠償金やロイヤリティーを獲得することを目的としている、ほぼ実態のない企業は「パテント・トロール」と呼ばれており、VirnetXもそのひとつだと考えられています。

控訴と裁定が繰り返されてきた

ただし、これでAppleとVirneXの法廷闘争がすべて片付いたわけではありません。裁判はもう一つ並行して続いており、こちらはさらに状況が複雑です。
 
まず、2012年にVirnetXが3億6,800万ドル(約490億円)の賠償金を勝ち取りますが、2014年に控訴裁が賠償額の再査定を命じたことで陪審に差し戻されました。
 
そこで、2016年には6億2,500万ドル(約830億円)の賠償が再決定されますが、今度は判事が「Appleに不利になる」との判断を下します。その結果、一度は3億200万ドル(約400億円)に減額されたものの、2017年には4億3,970万ドル(約580億円)に増額されていました。
 
今回控訴裁が下した判決に続いて、こちらもAppleの主張が認められるでしょうか。
 
 
Source:AppleInsider
(kihachi)

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この記事を書いた人

丸みを帯びたiPhone3GSの筐体に惚れ込み、Apple信者を誓ったのも今は昔。2014年から始めたライター業がきっかけで、気づけばXiaomiやHuaweiなど中華スマホにも手を出す浮気症に。

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