M2/M2 Pro Mac miniの登場でMacの価格設定が混乱!?

M2/M2 Pro Mac miniMac Studio/Pro

M2/M2 Pro Mac miniMac Studio/Pro
 
Appleが発表したばかりのM2/M2 Pro搭載Mac miniについて、エントリーモデルであるM2 Mac miniのベンチマークスコアですら、Mac Proのスコアを超えていることがわかっています。
 
またM2 Pro Mac miniの登場は、M1 Max Mac Studioの価格設定を微妙なものにするとの意見もあります。
 
そこでM2/M2 Pro搭載Mac mini、M1 Max Mac Studio、そしてMac Proの基本的なスペック、Geekbench 5スコア、価格など、何がどのように違うのかを比較してみました。

M2/M2 Pro Mac mini、Mac Studio、Mac Proの基本スペックと価格

まず、M2 Mac mini、M2 Pro Mac mini、M1 Max Mac Studio、Mac Pro(タワー)の基本スペックと価格を比較してみます。比較対象はいずれもエントリーモデル(最低限のスペック)とします。
 

モデル名 M2
Mac mini
M2 Pro
Mac mini
M1 Max
Mac Studio
Mac Pro
プロセッサ 8コアM2 10コアM2 Pro 10コアM1 Max 8コアIntel Xeon W
グラフィックス 10コアGPU 16コアGPU 24コアGPU Radeon Pro W5500Xと
8GB GDDR6メモリ
メモリ 8GB 16GB 32GB 32GB
ストレージ 256GB 512GB 512GB 512GB
通信機能 Wi-Fi 6E (802.11ax)
Bluetooth 5.3
Gigabit Ethernet
Wi-Fi 6E (802.11ax)
Bluetooth 5.3
Gigabit Ethernet
Wi-Fi 6 (802.11ax)
Bluetooth 5.0
10Gb Ethernet
802.11ac Wi-Fi
Bluetooth 5.0
10Gb Ethernet
ポート Thunderbolt 4×2
USB-Ax2
HDMI
Ethernet
Thunderbolt 4×4
USB-Ax2
HDMI
Ethernet
Thunderbolt 4×4
USB-Cx2
SDXCカードスロット
Thunderbolt 3×2
USB 3×2
10Gb Ethernetx2
8つのPCI Express拡張スロット
Thunderbolt 3×2(タワー型筐体の上面に装備)
価格(税込) 84,800円 184,800円 278,800円 662,800円

 

Geekbench 5スコアを比較

M2 Mac mini、M2 Pro Mac mini、M1 Max Studio、Mac Proの基本的なスペックと価格を比較したところで、今度はGeekbench 5スコアを見てみます。なおこれらのスコアは2023年1月27日午後9時時点で確認したものです。価格も再度記載してみました。
 

モデル名 M2
Mac mini
M2 Pro
Mac mini
M1 Max
Mac Studio
Mac Pro
シングルコア
スコア
1,926 1,930 1,756 1,019
マルチコア
スコア
8,790 11,859 12,337 8,039
価格(税込) 84,800円 184,800円 278,800円 662,800円

 
現行のMac Proは2019年に発売されたモデルではあり、技術的に古いことは否めません。M2/M2 Pro Mac miniと比べると、66万円超えのMac Proがどうしても高く感じられます。

Macの価格設定が混乱を招く

米メディアMacworldは、M2 Pro Mac miniによって、デスクトップMacの価格がややこしくなり、モデルの選択が難しくなったと記しています。
 
たとえばM2 Pro Mac miniの基本スペックは、10コアM2 Proと16コアGPUで、価格は184,800円です。これを12コアM2 Proと19コアGPUにアップグレードし、メモリを基本の16GBから32GBへとアップグレードすると、282,800円となります。
 
この価格はエントリーレベルのM1 Max Studioの価格、278,800円とほとんど変わりません
 
スペック的には大雑把に比較すると、10コアM2 Pro対10コアM1 Max、19コアGPU対24コアGPU、メモリ容量はどちらも32GB、ストレージも両モデルとも512GBです。
 
M2 ProとM1 Maxのベンチマークスコアでは、M2 ProがM1 Maxを上回ることがわかっています。
 
ただしGPU性能を比べると、M1 Max StudioがM2 Pro Mac mini(12コアにアップグレードしたもの)を上回ります。
 
ほかのスペック(Wi-Fi 6E対Wi-Fi 6、ポートの種類など)にも違いがありますが、いったいどちらを選ぶべきなのか、非常に悩ましくなります。

次世代Mac Proの存在意義とは

そしてさらにその存在意義が問われているのが、次世代Mac Proです。
 
次世代Mac Proは新チップであるM2 Ultraを搭載するものの、RAMもグラフィックカードも増設できず、現行モデルの最大の特長である拡張性を失うとの予想が浮上しています。
 
Mac Studioと比べて単に冷却性能のみ優れているというのが事実であれば、次世代Mac Proが本当に登場する必要はあるのかという議論に発展しそうです。
 
 
Source:Apple,Macworld,Geekbench
(lunatic)

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この記事を書いた人

元某業界新聞社の記者。その後フリーライターとして各方面で執筆、英日翻訳家としての著書も多数。2014年から本メディアでライター、編集記者として活動中。アメリカ在住(現在は日本に滞在中)。iPhone使用歴は12年以上。

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