テック大手の“優等生”Appleが頼みの綱?株下落すれば市場全体が低迷も
中央銀行の金融引き締め政策がきっかけとなり、それまでバブルに湧いていた米企業の株価下落が止まりません。他の大手テック企業と比較すれば、Appleは持ちこたえていますが、仮に同社の株価が本格的な下落に転じた場合、株式市場全体のさらなる落ち込みが予想されています。
株式市場を覆う弱気ムード
テック企業の株を中心として構成されるナスダックは年初来(以下同様)で30%以上の下落(2022年12月30日時点)を記録、Teslaに至ってはトヨタ3社分に相当する時価総額が吹き飛びました。
もちろんそうした総悲観ムードは、米テック企業を代表する“FAANG(Facebook、Amazon、Apple、Netflix、Google)”の株価にも大きな影響を与えています。
Meta(Facebookの親会社)の株価が約65%、Netflixが約51%、Amazonが約50%、Alphabet(Googleの親会社)が約40%減少している状況を踏まえると、約28%減にとどまっているAppleは持ちこたえている部類でしょう。
しかし、アナリストによると、こうした弱気ムードの次なるターゲットにAppleがなった場合、テック企業の株も連動して、さらなる市場全体の下落を招く可能性があるそうです。
Appleの株価はどうなる?
例えば22V Researchのアナリストであるジョン・ロック氏は、Appleの株価が心理的節目である130ドルを割り込み、40週移動平均線(直近40週の平均株価からなる折れ線グラフ)も下回ったら、投資家の警戒が強まるかもしれないと述べています。
これについて、TheChartReportのアナリストであるパトリック・デュヌウィラ氏は、TeslaやMeta、Amazonなども「下落が加速する前に同じような状況が起きた」と指摘、Appleの株価下落が加速し始める可能性があると分析を加えています。
株価の重しと考えられているiPhoneの供給懸念が和らげば、投資家の見方も変わってくるのでしょうが、今後Appleの株価が大きく下落するとなると弱気ムードが一層強まることが予想されるだけに、株式市場が底を打って回復に向かう日はさらに遠のきそうです。
Source:Market Watch via 経済日報
(kihachi)