Arm、カスタムGPUやTPU搭載を禁止?QualcommやGoogleに影響か

チップの画像

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スマートフォン向けCPU市場をほぼ独占しているArmが、GPUやTPUのシェアを上げるために強権的な手に出るようです。
 
ArmのCPUコアを搭載するならGPUやTPUもArm製のものを利用しなくてはならないというライセンスモデルに変更するとの報道が出ています。

GPU/TPUとセットでないとCPUコアライセンスを受けられなくなる?

QualcommはArmの新しいビジネスモデルに対し、反訴状を提出しました。
 
それによるとArmはCPUコアのライセンスを与える企業に対し、Arm製のGPUやTPU、ISPをしか利用できないよう求めているそうです。
 
さらに半導体企業に対してCPUコアのライセンスを付与するのではなく、その半導体製品を搭載したデバイスメーカーに直接ライセンスを付与するライセンスモデルに変更するとされています。
 
これらの変更により、QualcommのGPUであるAdrenoシリーズ、SamsungとAMDが共同開発したGPUであるXclipseシリーズ、GoogleのTensorチップシリーズに搭載されたTPUなどが影響を受けるでしょう。

Armは「不正確なものだらけ」と反論

Qualcommに対しArmは、その主張が「不正確なものだらけ」としています。
 
もし訴訟に発展すれば解決に何年もの歳月がかかるかもしれません。
 
AppleもiPhone、iPad、MacなどにArmアーキテクチャを採用していますが、少なくとも公開されている範囲ではArm製CPUコアを利用しておらず、CPUアーキテクチャのライセンス契約のみを結びCPUコアは独自開発しています。
 
また、Appleはデバイスメーカーでもあるため、今回のライセンスモデル変更による影響はないものとみられます。

 
 
Source: 9to5Google
(ハウザー)

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この記事を書いた人

本職はSoCの設計者。このためPCやスマホのHW/SW両方に造詣が深く、その知見に基づいた記事を執筆している。スマホ歴はiPhone4→(Android)→iPhone XR→13 Pro。

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