AppleサプライヤーQuantaの利益が半減〜コロナ禍での工場閉鎖長期化が影響
AppleサプライヤーでMacBookシリーズの組み立てを担当するQuanta Computerは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による上海工場閉鎖の長期化により、純利益が前年同期比50%減となったと発表しました。
4月に上海工場閉鎖、通常生産再開は6月
Quanta Computerは現地時間8月12日、2022年第2四半期(2022年4月〜6月)の業績を発表しました。当期純利益が39億6,000万ニュー台湾ドル(約177億円)で、前年同期比50%の減益になりました。
COVID-19拡大により、4月に操業を停止した上海工場は、5月には再開したものの、サプライチェーンの混乱や従業員不足により、通常の生産体制まで戻ることができたのは6月と、時間がかかったことが大きく影響しました。
Quantaの上海工場では、コロナ禍によるロックダウン長期化に反発する従業員による暴動も発生しています。
また、従業員の雇用を維持するための費用、新規従業員へのトレーニング費用も収益悪化の要因となりました。
Quantaの最高財務責任者(CFO)エルトン・ヤン氏は、上海工場で必要な従業員を確保する費用が見込まれるため、第3四半期(7月〜9月)の収益にも継続して影響が及ぶ見込みと述べています。
MacBook Airは2週間〜3週間待ちが続く
Quantaは、AppleのMacBookシリーズの組み立てを担当する主要サプライヤーです。
同社は上海工場の稼働停止をカバーするために重慶工場でMacBook Proの製造を開始したと伝えられています。
なお、7月に販売が開始されたM2搭載MacBook Airは、QuantaとFoxconnの2社が組み立てを担当しているとみられます。
本稿執筆時点で、M2搭載MacBook Airは日本のAppleオンラインストアで配送予定が8月27日〜9月3日と、予約開始直後よりは納期が短縮したとはいえ、2週間〜3週間待ちと案内されています。
なお、M2、M1、M1 Pro、M1 Max搭載のMacBook Proについては、標準構成モデルであれば1週間以内での配送が可能となっています。
Source:Bloomberg
Photo:Quanta Computer
(hato)