【レビュー】オートロックもキーレスで!SwitchBotシリーズで鍵いらず生活に挑戦

キーレス生活に使ったSwitchbotシリーズ

キーレス生活に使ったSwitchBotシリーズ
 
多くの玄関には物理的な鍵で開閉する錠前が取り付けられており、外出したり帰宅したりするたびに鍵を取り出さなくてはなりません。
 
さらに、オートロックつきのマンションの場合はエントランスからなかに入るのにも鍵が必要です。
 
今回は物理的な鍵を使わずに生活すべく、スマートホーム機器のSwitchBotシリーズを使ってキーレスでの生活に挑戦してみました。

物理的な鍵は面倒

現代社会において玄関の施錠は必須といえますが、物理的な鍵はとにかく面倒です。
 
小さい鍵穴に鍵を差して回さなくてはいけないこと自体面倒ですし、荷物が多いときは鍵を取り出すのすら一苦労でしょう。
 
さらにセキュリティを高めるために鍵を2つつけていたり、オートロックつきのマンションに住んでいたりすると手間が増えます。
 
そんな物理的な鍵をIoTの力を使って電子的に開ける機器がスマートロックです。
 
さまざまなメーカーがスマートロックを販売していますが、今回は連携可能な機器が多いSwitchBotシリーズでキーレス生活に挑戦してみました

玄関の鍵を電子的な鍵に変える「SwitchBotロック」

SwitchBotシリーズによるキーレス生活にまず必要なのが、玄関の鍵に取り付ける「SwitchBotロック(以下、ロック)」です。
 
SwitchBotロックの箱
 
ロックにはモーターとBluetooth通信機能が内蔵されており、スマホやスマートウォッチなどからの指示で鍵を開閉することができます

 

取り付けは意外と簡単

このロック、パッケージを開けると多くの部品が入っているため一見取り付けが面倒そうに思えます。
 
SwitchBotロックの中身
 
しかしながら、実は取り付け手順は3ステップと非常にシンプルであり、誰でも迷うことなく設置可能です
 
最初に鍵のつまみにあう形状のアダプタを見つけます。
 
SwitchBotロックのアダプタ
 
3種類入っているので、一番サイズが近いものを選びましょう。
 
次に高さを調整します。
 
SwitchBotロックの高さ調整
 
扉からつまみまでの高さはそれぞれ異なるため、つまみがスムーズに回せる高さを見つけましょう。
 
最後に両面テープで扉に貼り付けて終了です。
 
SwitchBotロックを扉に取り付け
 
強力な両面テープがついており、かつ本体の大部分が軽量なプラスチックで構成されていることから、垂直の扉でもしっかりと固定されます。
 
なお、SwitchBotロックの取り付けには高さや空間などの点で制約があります。
 
公式サイトで詳しく解説されており、ステップバイステップで確認することもできますので、購入前に必ず確認してください。
 
SwitchBotロックの取り付け可否確認

 

アプリでの設定&校正をおこなう

取り付けが終わったらSwitchBotアプリで設定および校正をおこないます。
 
SwitchBotロックの校正
 
校正の目的は、鍵がかかっている/開いている角度の認識と、扉が閉まっている/開いているかどうかを認識するためです。
 
ロックには磁石の部品がついており、これをドア枠に取り付けることでドア枠とロックの角度や位置を認識できます。
 
SwitchBotロックの磁石
 
これにより単につまみを回すだけでなく、現在鍵が開いているのか締まっているのかや、扉が開いているのか閉まっているのかを認識することが可能です。
 
現在のステータスはアプリから確認できますので、鍵を閉めたかどうか不安になることがよくあるという方にもおすすめといえるでしょう(Bluetooth通信外の確認にはSwitchBotハブミニが必要)。

 

Apple Watchからも鍵の開け閉めや状態確認が可能

設定および校正ができたらスマートフォンやApple Watchから鍵の開閉および状態確認が可能になります。
 
SwitchBotロックのiPhoneからの操作
 
SwitchBotロックのApple Watchからの操作
 
実際の動作はこんな感じです:
 

 
手で回すよりもゆっくりですが、速すぎるとその力で本体が取れてしまうかもしれないので、これくらいが安全なのでしょう。

 

ツインロックモードで2つの鍵を同時に開閉

ロックには2022年7月のアップデート時に、ツインロックモードという機能が追加されました。
 
これは2つのロックの動作を同期させる機能で、1つの扉に2つの鍵がついている「ワンドアツーロック」の玄関で便利に使うことができます。
 
ツインロックモードに設定した場合の動作はこんな感じです:
 
 ツインロックモードで動作させたSwitchBotロック
 
2つのロックがほぼ同時に動きます。
 
このツインロックモードのよいところは、手動でつまみを回しても同期してくれる点です。
 
ワンドアツーロックの場合、2つのつまみをそれぞれ回して鍵を開閉しなくてはいけませんが、ツインロックモードに設定したロックをつけておくと片方を手で回せばもう一方が自動的に同期して回ります:
 
ツインモードのSwitchBotロックを手動で開閉
 
この機能は特に外出時に便利です。わざわざスマートフォンやApple Watchを操作しなくても2つの鍵を同時に解錠できるため、急いでいるときに手間を減らせます。

 

シーン機能で帰宅と同時に明かりをつけることも

SwitchBotシリーズは互いに連携でき、ロックに対してほかの機器を連携させることも可能です。
 
これによりたとえば解錠と同時に自宅のシーリングライトをつけたり、エアコンを入れたりと、さまざまな動作を同時におこなうことができます
 
人力での作業が減り、スマートな生活に近づくことができるでしょう。

SwitchBotリモートボタンとSwitchBotキーパッドでスマホとApple Watch不要に

ロックの導入で鍵の開閉のために鍵を取り出す必要がなくなりましたが、依然としてスマートフォンを取り出したり、Apple Watchを操作したりといった手間が必要です。
 
この手間すらなくしてしまう機器がSwitchBotシリーズに用意されています。
 
それが「SwitchBotリモートボタン(以下、リモートボタン)」と「SwitchBotキーパッド(以下、キーパッド)」です。

 

車のリモコンのように鍵を開閉できるリモートボタン

リモートボタンは2つのボタンを備えたBluetooth通信デバイスです。
 
SwitchBotリモートボタンの箱
 
大きさは41ミリサイズのApple Watchよりも少し大きいくらいで重さは実測19グラムと軽く、ストラップや付属のベルクロつき両面テープで取り付けることができます。
 
SwitchBotリモートボタンと41mmApple Watch
 
このリモートボタンはロックと連携することができ、2つのボタンを使ってロックの解錠/施錠をおこなうことが可能です。
 
これにより、車のロックをリモコンで解除するように、自宅の鍵を操作することができます。
 
スマートフォンより小さいので取り出しやすく、Apple Watchの画面上の小さなボタンより押しやすいので便利です。
 
このリモートボタンはロックと直接通信しないと開閉ができないため、車と同じように、ある程度近づかないと操作できない点には注意してください。

 

番号入力やNFCカード、指紋認証で解錠できるキーパッド

キーパッドはその名の通りテンキーを備えたデバイスです。
 
SwitchBotキーパッドの画像
 
こちらも小型軽量のデバイスで、両面テープあるいはネジ止めで玄関先に取り付けます。
 
SwitchBotキーパッドとiPhone XR
 
注:一般的なマンションでは玄関の扉および玄関先は共用部であり、機器の取り付けには制限がある可能性があります。管理規約や契約書を確認し、自己責任でおこなってください。
 
キーパッドを使った解錠にはいくつか選択肢があります。
 

  1. 6桁〜12桁のパスコード入力
  2. NFCカードをかざす
  3. 指紋認証(上位版の「SwitchBotキーパッドタッチ」のみ)

 
また、本体左下には施錠ボタンがあり、これを押すだけで施錠が可能です。
 
リモートボタンの場合はデバイスを盗まれたらボタンを押すだけで誰でも鍵を開けられますが、キーパッドの場合はセキュリティを突破しないと解錠できないためよりセキュアといえるでしょう。

SwitchBotボットでオートロックを解除

一軒家の場合はこれでかなり快適な環境が構築できましたが、マンションの場合にはもう1つ障壁があります。
 
それがエントランスのオートロックです。
 
エントランスのオートロックが鍵を使って開けるものの場合、玄関には必要なくてもオートロックを解錠するのに鍵を取り出さなくてはなりません。
 
そこで、SwitchBotの指ロボットである「SwitchBotボット(以下、ボット)」を使ってオートロックも鍵なしで開けられるようにします
 
SwitchBotボットの箱
 
注:オートロックはマンションの住人全員の安全を守るものであり、その開閉をボットを使っておこなうことがすべてのマンションにおいて認められるとは限りません。管理規約や契約書を確認し、自己責任でおこなってください。

 

ボットの指で解錠ボタンを押すだけ

やり方はシンプルで、ボットの「指」で解錠ボタンが押されるように設置するだけです:
 
SwitchBotボットでオートロックを解除
 
これで玄関で鍵を挿入して回さなくても、スマートフォンやApple Watchからの操作でオートロックを解錠できます。

 

部屋のインターホンを鳴らすことは最低限必要

ただ、この方法にはいくつかの問題点があります。
 

  1. インターホンを必ず鳴らす必要がある:オートロックの解錠ボタンは一般に、インターホンを押されたときのみ有効になります。
     
    このため、鍵を回す代わりに自宅をインターホンで呼び出さなくてはなりません。
  2.  

  3. リモートボタンで解錠できない:リモートボタンをボットと連携することは可能なのですが、Bluetoothで直接通信できなくてはなりません。
     
    このためオートロックから自宅がよほど近くないとリモートボタンを使ってオートロックを解錠することはできず、スマートフォンあるいはApple Watchが必要です。
  4.  

  5. インターホンによってはボットが2台必要だったり、対応が難しかったりすることも:筆者の自宅の場合、インターホンが鳴るとそのまま解錠ボタンを押すことができます。
     
    しかしながら、インターホンによってはまず通話ボタンを押さなくてはならず、その場合はボットが2台必要です。
     
    また、受話器タイプの場合はボットで取り上げるのが難しく、対応は難しいでしょう。

 
これらの理由から、たとえボット1つで済んだとしても鍵を使って開けるのよりも正直時間がかかります
 
鍵を取り出さなくてよい、鍵を忘れてもオートロックを開けられるというメリットはありますが、万人におすすめとはいいづらいです。

SwitchBotシリーズを使った解錠環境の問題点や不満点

SwitchBotシリーズを使った解錠環境は非常に便利なのですが、問題点や不満点もあります。

 

結局鍵は手放せない

SwitchBotシリーズにより、鍵を使わなくてもオートロックや玄関を解錠できる環境は作れます。
 
ただ、これによって鍵を持ち運ばなくてもよくなるわけではありません
 
先日のauの通信障害のように、SwitchBotのサービスが突然使えなくなる可能性はあります。
 
また、SwitchBot機器がハードウェア/ソフトウェアの両面で突然壊れる可能性もあるでしょう。
 
このため、鍵を持ち歩かなくてもよいとはいえず、鍵を手放すことはできません。

 

ロックの解錠がSiriおよびSiriショートカットからできない

筆者の当初のもくろみとしては、オートロック解除と同時あるいはある程度の時間差で玄関のロックを解錠することで手間を最小限にするというものでした。
 
しかしながら、実はSwitchBotロックのSiriおよびSiriショートカットによる解錠は現状サポートされていません
 

Siri Shortcut (シリショートカット)でロックを音声コントロール機能は施錠の機能のみです。
Siriにはピンコード機能がないため、解錠をまだサポートしておりません。

 
同様に、SwitchBot独自の自動化機能である「シーン」でも解錠ができません。
 
セキュリティ上の理由なのでしょうが、ちょっと不便です。自己責任でもよいのでサポートしてくれるとさらに便利になると思います。

 

キーパッドを設置するとワンドアツーロックの御利益がなくなる可能性

キーパッドは玄関の外に設置する必要があるのですが、これがあるとほかの人にSwitchBotシリーズのロックが設置されていることがわかってしまいます
 
すると、おそらくワンドアツーロックの扉であってもロックを2つつけてツインモードで運用しているだろうという推測がなされ、ピッキングによって1つの鍵を開ければ両方開くとわかってしまうでしょう。
 
ワンドアツーロックの利点は鍵を2つ開けるのに時間がかかるので泥棒がその家に侵入するのを躊躇するというものですが、キーパッドを設置することでこの御利益がなくなる可能性があります。
 
SwitchBotキーパッドのことを知っている泥棒が世の中にどれくらいいるのかという話はさておき、ピッキングによって泥棒に入られる可能性は上がるといえるのではないでしょうか。

 

Apple Watchからの解錠はBluetooth経由のみ

不思議な仕様なのですが、なぜかApple Watchからのロックの解錠は、Bluetooth経由でしかおこなえません
 

(Apple Watch Series 2以上、WatchOS 4.0以上)Apple Watch のBluetoothによって施錠・解錠できます。
ハブミニお持ちであっても、遠隔でApple Watchコントロールできません。

 
Apple Watchがセルラー版か否かや、Apple Watchがモバイル通信可能なiPhoneに接続されているか否かにかかわらずこの制約があるようです。
 
筆者の場合、オートロックの解錠のついでにApple Watchで玄関の解錠をおこないたかったのですが、この制約のためにできませんでした。
 
iPhoneからはSwitchBotハブミニを設置することでモバイル通信経由で解錠できますし、ボットの操作はGPS版Apple WatchからiPhone経由でできるため、技術的というよりはセキュリティ上の理由なのでしょうか。

 

モバイル通信経由で操作できるボタン型デバイスがほしい

先述のようにリモートボタンはBluetooth通信できないとロックやボットを操作できません。
 
これをスマートフォン経由でモバイル通信を使って操作できるようにしてくれると、オートロックの解錠にスマートフォンやApple Watchが不要になります。
 
また、現状はリモートボタン1つに対して連携できる機器は1つですが、それぞれのボタンを異なる機器に連携できるようにしてくれると、オートロックと玄関の解錠を1つのリモートボタンでできるようになるでしょう。

SwitchBotシリーズによる鍵いらず生活は便利

いろいろと不満を述べましたが、SwitchBotシリーズを導入して鍵いらずの環境を構築すると快適です。
 
一番便利だと思ったのは、意外にも解錠ではなく施錠でした。
 
自宅を出るときには時間がないことが多く、鍵をかける手間すらもったいないと思えます。また、外出先で鍵をかけたかどうか不安になることもあるでしょう。
 
ロックを設置することでボタン1つで施錠ができますし、現在の鍵の状態をスマートフォンやApple Watchから確認できます
 
もちろん、解錠についてもワンドアツーロックの扉を1ステップで解錠できるため便利です。
 
また、SwitchBotシリーズにはほかにもさまざまな機器があり、連携させることでさらに便利になります。
 
鍵に関する悩みをお持ちの方は、SwitchBotシリーズを導入してみてはいかがでしょうか。
 
ただ、SwitchBotシリーズの制約でできないことや、設置によってセキュリティ上の問題が生じることもあるため、設置の際はよく検討することをおすすめします。

 
 
Source: SwitchBot
(ハウザー)

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この記事を書いた人

本職はSoCの設計者。このためPCやスマホのHW/SW両方に造詣が深く、その知見に基づいた記事を執筆している。スマホ歴はiPhone4→(Android)→iPhone XR→13 Pro。

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