【レビュー】Apple Watchと好相性!SwitchBotで目指せスマートホーム
Appleが2022年のWWDCにおいて、iOS16のホームアプリででスマートホームの共通接続規格「Matter」への対応を発表するなど、スマートホーム機器が普及する土台ができつつあります。
さまざまなメーカーがスマートホーム機器を販売するなかで、特に製品群が充実しているメーカーがSwitchBotです。
iPhoneやApple Watchとの相性が良好なSwitchBotの製品を実際に使ってみたので、レビューしたいと思います。
多彩なスマートホーム製品群を持つSwitchBot
SwitchBotは多彩な製品群を誇るスマートホーム機器メーカーです。
創業は2016年と新しいのですが、すでに世界中で数十万人のユーザーがいるとされており、日本でも人気があります。
その特徴は、スマートホーム製品の種類が非常に多いところです。
ざっと挙げると以下のような製品が販売中です:
製品名 | できること |
---|---|
ハブミニ | スマート赤外線リモコン+ほかの機器のハブ |
温湿度計 | 温度と湿度を計測 |
温湿度計プラス | 大型の温湿度計 |
ボット | スイッチを物理的に押すロボット |
リモートボタン | ボタンでSwitchBot機器を制御 |
スマート加湿器 | 加湿器 |
スマートプラグ | コンセントを制御 |
スマートカーテン | カーテンを自動で開閉 |
屋内カメラ | 双方向通話可能なWebカメラ |
見守りカメラ | 可動式のWebカメラ |
スマートロック | ドアの鍵を自動で開閉 |
人感センサー | 動体検知センサー |
開閉センサー | ドアや窓の開閉を検知 |
スマート電球 | 明るさや色を制御 |
ロボット掃除機 S1/S1 Plus | ロボット掃除機 |
キーパッド | 指紋、パスワード、スマホ、NFCカードでドアの鍵を開閉 |
最新製品のキーパッドが2022年7月20日に発売予定など、その製品群は今も拡大を続けています。
今回はこれらのなかから、温湿度計、温湿度計プラス、ハブミニ、ボットについて、iPhoneやApple Watchとの組み合わせによる使用感も含めたレビューをお届けします。
大画面+スタンドで見やすくなった温湿度計プラス
SwitchBotの温湿度計プラスは、2022年2月に発売されたスマート温湿度計です。
センサーに高精度なSensirion3チップを搭載しており、温度は±0.1度、湿度は±1%RHという高い精度で計測できます。
画面の大きさだけではない温湿度計プラスの改善点
SwitchBotには元々「温湿度計」という製品があったのですが、温湿度計プラスでは、
- 画面が大型化かつ視野角が広くなった
- スタンドが内蔵され、壁掛け用の穴が用意された
- 乾燥/快適/高湿度の表示が追加された
という改善がおこなわれています。
画面の大きさに関しては、下の写真では文字の大きさはそれほど変わらないように見えるかもしれません。
筆者は画面の大きさよりも、視野角の改善のほうが大きいと感じました。
斜め上から見ると違いがわかるかと思います。
画面を正面から見るとは限らないため、この差は大きいです。
さらに、温湿度計プラスにはスタンドがついており、画面を斜め上に向けて設置できます。
これら2つの特徴から、目線よりも下に設置した際の視認性がかなり向上しました。
また、温湿度計プラスには壁掛け用の穴もあいており、設置の自由度が高いです。
スマホから過去の履歴を参照可能
温湿度計および温湿度計プラスはSwitchBotの製品であり、ただ温度や湿度を画面に表示するためのものではありません。
スマホと組み合わせることで真価を発揮します。
たとえば、SwitchBotアプリから温度および湿度の過去の履歴を参照可能です。
これによりたとえば寝ている間の温度や湿度を確認し、より快適な睡眠環境を構築することができるでしょう。
スマホとの通信はBluetoothでおこなうことができます。
このため、後述のハブミニを導入しなくても、距離が近ければ、赤ちゃんやペットがいる部屋の温度や湿度を部屋の外から監視可能です。
SwitchBotハブミニでSwitchBot機器の連携が可能に
単体でも便利な温湿度計/温湿度計プラスですが、SwitchBot機器はSwitchBotハブミニと組み合わせることで機能が飛躍的にアップします。
SwitchBot製品のハブ
ハブミニは、スマート赤外線リモコンを内蔵したSwitchBot製品のハブです。
SwitchBotのスマートホーム機器はバッテリー駆動のものが多く、消費電力低減のためにWi-FiではなくBluetoothで通信をおこないます。
このため、家の外などBluetoothの通信範囲外ではデータの参照や操作をおこなうことができません。
また、スマートホーム機器間の連携についても、スマホ上でアプリをずっと立ち上げておくことが難しいためなのか、スマホのバッテリー消費を抑えるためなのか、単体では非対応となっています。
ハブミニはWi-FiとBluetoothの両方の通信に対応しており、SwitchBot機器とはBluetoothで、サーバーやスマホとはWi-Fiで通信します。
そして、ハブミニを使うことで各SwitchBot機器を連携させることや、モバイル通信経由で外出先からのデータ参照や制御が可能です。
SwitchBot機器を活かすならこのハブミニが必須といっていいでしょう。
赤外線リモコン機能内蔵でスマートホーム非対応機器を制御
このハブミニには赤外線リモコン機能が内蔵されています。
現在販売されている多くの家電はスマートホームに対応していないのが現状です。
しかしながら、赤外線リモコンによる制御には対応しているものが多くあります。
ハブミニからそれらの機器を制御するための赤外線制御信号を出すことにより、スマート機器化が可能です。
たとえばテレビのリモコンをハブミニに登録すれば、スマホからテレビの制御が可能になります。
シーリングライトやエアコンなどの赤外線リモコン対応機器をハブミニに登録することで、リモコンが不要になり、リモコンを探す手間や置く場所が不要になるでしょう。
複数機器間の連携も
ハブミニを使うことで、複数のSwitchBot製品を連携させることができます。
たとえば、温湿度計/温湿度計プラスと赤外線リモコン機能を連携させ、温度や湿度の条件でエアコンを起動させることが可能です。
ほかにも、温湿度計と加湿器を連携させたり、人感センサーや開閉センサーとスマート電球を連携させたりなど、さまざまな使い方が考えられるでしょう。
iPhoneやApple Watchと好相性
SwitchBot機器はiPhoneやApple Watchと好相性です。
SwitchBotアプリはSiriショートカットに対応しており、Siri経由で音声制御ができます。
Siriショートカットは条件分岐を利用したり、複数操作を一括でおこなったりできるため、複雑な制御が簡単におこなえるでしょう。
例として「テレビの電源つけて」という指示に対して、ダイニングの電気を消し、リビングの電気をつけ、テレビの電源を入れるショートカットを作成してみました。
これに時間の条件を組み合わせることで、明るさに応じて電気をつける/つけないを制御することも可能です。
作成したSiriショートカットはApple WatchやMacからの利用もできます。
SwitchBot製品はSiriだけでなく、AlexaやGoogleアシスタントからも利用可能です。
Siriショートカットを作成しなくても、Apple Watchから直接SwitchBot機器の状態確認および制御ができます。
利用できるリモコンのボタン数が限られているのは残念ですが、常に身につけているApple Watchで確認や制御ができるため便利です。
SwitchBotボットであらゆる機器をスマート制御
赤外線リモコンにすら対応していない機器をスマート化するなら「ボット」が便利です。
メーカー名の一部である「Bot」という名前を冠しており、SwitchBotの代表製品といえるでしょう。
ロボットの「指」がボタンを押す
ボットは、指を持ったスマートロボットです。
こんな感じで動作します:
自分自身を軽々持ち上げるほど力強いです:
指を出し入れする時間を制御することも、出しっぱなしにすることもできます:
この指を物理的なスイッチに触れさせることで、赤外線制御にすら対応していない機器でもスマート化可能です。
シーリングライトや扇風機、マンションのオートロック解除にも
ボットはさまざまなところに利用でき、たとえば赤外線リモコン非対応のシーリングライトのスイッチを押すことができます。
また、我が家の扇風機は赤外線リモコン非対応なのですが、ボットの指で操作することができました。
マンションのオートロック解錠ボタンにつけることもできます。
スマートロックを使えば玄関の鍵を自動で開けることができますが、マンションのオートロックは解除できません。
ボットをオートロックの解錠ボタンにつければ、鍵を取り出さずにApple Watchから解錠することができます。
ボットは粘着テープを使って貼り付けられるところであればどこでも使えるため、応用範囲は広いです。
価格がネック
さまざまなところに活用できるボットですが、ネックは価格です。
公式サイトでは1つ3,980円(税込)で販売されています。
ボットには場所を移動する機能がないため、制御したい物理ボタンの数だけボットが必要です。
たとえば上で紹介した扇風機の場合、電源以外に風量、リズム、タイマーというボタンがあります。
これらすべてをスマート化しようとすると3,980 x 4 = 15,920円が必要となり、おそらく赤外線リモコン対応の扇風機を買ったほうが安いですし、これだけのお金があればスマート扇風機を買うこともできるでしょう。
1,000円くらいで購入できればもう少し気軽に導入できるのですが、3,980円だと本当に必要なところにしか配置できません。
もう少し小型で力が弱くてもいいので、廉価版のリリースをしてもらえたらと思います。
スマートホーム化するならSwitchBotで揃えるのが正解
これまでは各社独自に実装していたスマートホーム機器ですが、AppleがiOS16のホームアプリで共通接続規格である「Matter」への対応を表明し、メーカー間の連携が促進されそうです。
しかしながら、共通接続規格は一般的に機能が足りていないことが多く、複数メーカーのスマートホームを混在させたときにそれぞれの機能をフル活用できるかわかりません。
現状は1つのメーカーで揃えるほうが安全であり、将来性を考えるとできるだけ多くの種類の機器を選ぶのがいいでしょう。
その意味でSwitchBotは多彩な機器を販売しているメーカーであり、そのラインナップ数は日本で手に入るスマートホーム機器のなかでもトップクラスです。
iPhoneやApple Watchとも連携しており、便利に使えるでしょう。
自宅のスマートホーム化を目指しているなら、まずはSwitchBotハブミニから始め、徐々に種類を増やしていってはいかがでしょうか。
Source: SwitchBot
(ハウザー)