iPhone15への自社開発5Gモデム搭載の課題は技術的なものではなく法的なもの?
AppleがiPhone15シリーズへの自社開発5Gモデム搭載を断念したのは、設計開発上の課題が解消できないなどの技術的なものではなく、Qualcommとの間での法的問題が要因である可能性が高いとPatently Appleが伝えています。
法的な問題から、Qualcomm製5Gモデムを搭載せざるを得ない
iPhone15シリーズに搭載される5Gモデムは全て、Qualcomm製のものになる見通しです。
その理由についてFoss Patentsのフローリアン・ミューラー氏は、Apple独自の5Gモデム開発における設計上の課題や問題を解消できないことではなく、Qualcomm製5Gモデムから切り替える場合の法的問題が主な要因と述べています。
5Gモデム特許侵害問題において未だAppleに不利な状況?
Apple製品に搭載する5Gモデムに関するQualcommとの間での和解文書には、「2024年5月31日までに発売される新製品には、Qualcomm Snapdragon X65およびX70チップを搭載する」と記載されています。
本和解以降、2025年もしくは2027年にQualcommがAppleに対して5Gモデム特許侵害訴訟を起こした場合、米国特許庁管轄の特許審判部(PTAB:Patent Trial and Appeal Board)は再度Qualcommの主張を認め、Appleの異議申し立てを却下する可能性が高いようです。
両社の関係性について9to5Macは、「Appleは現在もQualcommの特許ライセンスを保有していますが、その更新や支払額について合意するのには程遠い状況」と記しています。
Source:Patently Apple, 9to5Mac
Photo:Tech Limited(@TechLimitedOne)/Twitter
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