Apple、製造拠点の「脱中国」をサプライヤーに要求

    Apple サプライヤー iPhone

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    Appleが、製品の組み立てを担うサプライヤーに、中国から他国への製造力の移転を求めているとThe Wall Street Journalが報じています。中国一極集中のリスクを分散させる目的とみられますが、移転は簡単には進みにくい事情もあります。

    サプライヤーにとっては厳しい経営判断

    Appleサプライヤーに、中国以外の地域に製造拠点を分散させるよう求めている、と事情に詳しい関係者からの話としてThe Wall Street Journalが伝えています。
     
    Appleサプライヤーに独自の情報網を持つアナリストのミンチー・クオ氏も4月に、Appleのサプライヤー各社の脱中国の動きが進みつつあると述べています。
     
    サプライヤー各社にとっては、世界経済の先行き不透明感が増す中、大規模な投資が必要となる製造拠点の新設は悩ましい判断となりますが、Appleとのビジネスを継続するための経営判断が求められる状況となっています。

    コロナ禍で停滞していた「脱中国」を強化

    Apple製品に使われる部品の供給や、製品の組み立てを行うサプライヤーは世界各地にありますが、その多くが中国に集中しています
     
    以前から、Appleの中国への依存度が高すぎることのリスクが指摘されていましたが、世界的なパンデミックの長期化により、サプライヤー網のシフトは停滞していました。
     
    しかし、最近の上海での厳しいロックダウンによりMacBook Proなどの製造に影響が出ている事態を受けて、中国一極集中のリスクが改めて浮き彫りになりました。

    中国からインドへの移転にも課題

    インドでもiPhoneの一部モデルが製造されていますが、2021年時点では全体の3.1%で、2022年の予測でも6%〜7%にすぎず、大多数は中国での製造が続いています。
     
    中国とインドの政治的緊張が高まっていることもあり、中国資本企業のインド進出も簡単ではないという問題もあります。
     
    なお、Appleの主要サプライヤーの一角をなすLuxshareは、ベトナムでAirPodsシリーズの製造を開始しています。
     
     
    Source:The Wall Street Journal
    Photo:Apple
    (hato)

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    この記事を書いた人

    2013年からライター&編集担当として活動。2007年、駐在中のシリコンバレーで発売直後の初代iPhoneに触れて惚れ込む。iPhone歴は3GS→5s→6 Plus→7 Plus→XS Max→12 Pro Max→14 Pro。

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