広告事業を巨大テック企業から切り離す法案、米上院に提出される

上院 フリー素材 flickr

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巨大テック企業の広告部門を解体する法案が米国の上院で提出され、物議を醸しています。法案の対象にはAppleも含まれる可能性があります。

売り手かつ買い手であることを防ぐ

ビッグテックを監視する司法委員会の委員を務めた経験を持つ、共和党のマイク・リー上院議員は、企業が広告の買い手と売り手の両方として活動することを防ぐ法案「デジタル広告における競争と透明性法案(CTDA)」を議会に提出しました。
 
法案の狙いは、オンライン広告の核となる技術です。オンライン広告はユーザーの好みに合致するよう、高速のオークションシステムによって表示されていることが殆どです。しかもGoogleやFacebookといった超巨大企業は広告を抱えるだけなく、オークションのシステムも所有しているため、プラットフォーマーの不当な権力乱用ではないかとするのが法案の指摘です。

GAFAのいずれも困難に直面か

リー議員は「独占的な家賃が、広告をサポートしているすべてのWebサイトと、ビジネスを成長させるためにインターネット広告に依存しているすべての企業に課せられている」と述べ、「これは本質的に、何千もの米企業に対する税金であり、それゆえに何百万もの米消費者に対する税金なのだ」と、巨大テック企業のあり方を批判しました。
 
また「この法案が成立すれば、GoogleとFacebookは広告事業のかなりの部分を切り離すよう求められることになる」とし、「Amazonも(広告事業を)売却しなければならないかもしれないし、Appleが加速度的に参入している第三者配信(3rd-Party Ad:第三者=アドサーバーを介して広告を配信)にもこの法案は影響を与えるだろう」と、“GAFA”のいずれもが何らかの困難に直面するだろうと述べました。

巨大テック企業へのメスは超党派から支持

今回この法案を提出したのは共和党ですが、巨大テック企業のあり方を強く問題視する議員は、民主党にも多く存在します。例えば、エイミー・クロブシャー議員やリチャード・ブルメンタール議員は法案に賛成していますが、いずれも民主党です。
 
またエリザベス・ウォーレン議員は、AppleからApp Storeを切り離すべきであり、プラットフォームを運営するのか、ストアでアプリを提供するのか、どちらも選ぶことはできないとかねてより主張しています。
 
 
Source:AppleInsider
Photo:Flickr/Ben Schumin
(kihachi)

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この記事を書いた人

丸みを帯びたiPhone3GSの筐体に惚れ込み、Apple信者を誓ったのも今は昔。2014年から始めたライター業がきっかけで、気づけばXiaomiやHuaweiなど中華スマホにも手を出す浮気症に。

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