【レビュー】電子書籍や楽譜だけじゃない!AirTurn PEDproは仕事にも活躍

AirTurn PEDproの画像

AirTurn PEDproの画像
 
電子書籍や楽譜をPCやタブレットで読む際、手が塞がっていてページがめくれないことがあります。
 
そんなときに役立つのが、足で踏むことでページめくりができるAirTurnシリーズです。
 
このAirTurnシリーズ、実はカスタマイズ性が高くページめくり以外にもさまざまな応用ができ、仕事の効率化にも利用できる懐の深いデバイスでした。
 
AirTurnシリーズのなかからAirTurn PEDproを実際に使ってみたのでレビューしたいと思います。

Bluetooth接続で端末操作ができるAirTurnシリーズ

AirTurnシリーズBluetoothで端末と接続することで、さまざまな操作ができるデバイスです。
 
想定されているメインの用途は電子書籍や電子楽譜のページめくりで、特に足踏み型は手が塞がる楽器演奏時の譜めくりに役立ちます
 
AirTurn PEDproを足で踏む
 
現在日本で発売されているAirTurnシリーズは以下の8種類です。
 

 

製品名 特徴 価格(税込)
PEDpro 薄型軽量の足踏み型 10,780円
DUO 大型の押し込み型スイッチ装備の足踏み型 15,290円
BT200S-2 耐久性重視2ボタン仕様の足踏み型 11,880円
BT200S-4 耐久性重視4ボタン仕様の足踏み型 15,950円
BT200S-6 耐久性重視6ボタン仕様の足踏み型 18,480円
BT200 DIGIT 手元操作型 9,900円
TAP ドラムスティック操作型 20,790円
DIGIT III キーホルダータイプの指先操作型 7,150円

 
このなかから今回は最も安い足踏み型デバイスの「AirTurn PEDpro」を試してみました。

AirTurn PEDproの特徴とできること

まずはAirTurn PEDproの特徴を紹介します。

カスタマイズ可能な3ボタンを備える

AirTurn PEDproには3つのカスタマイズ可能なボタンが備わっています
 
下の写真の左/右下にある突起部分(ペダル)と、右上にあるキーボードの形をしたボタンです。
 
AirTurn PEDproの画像
 
これらのボタンを押すことで接続した端末の操作をおこなうことができます。
 
それぞれのボタンにはさまざまな機能が割り当てられます。
 
たとえばキーボードの上/下矢印、ページアップ/ダウン、メディアの再生/停止、マウスの左右ボタンなど非常に豊富です。
 
また、複数の動作を順番におこなったり、同時におこなったりすることも可能で、アイデア次第でさまざまな使い方ができるでしょう。
 
カスタマイズはAirTurn Managerというアプリからおこなうことができます。
 
AirTurn PEDproのカスタマイズ
 

7つのモードを切り替えて使用可能

AirTurn PEDproには7つのモードがあり、各ボタンに異なる動作を割り当て、切り替えながら使用することが可能です。
 
デフォルトでは以下の機能が割り当てられています。
 

モード番号 モード名 ボタンの初期割り当て
モード1 AirDirect アプリに依存した動作をおこなう。
モード2 ページターンモード 左ペダル = 上矢印。 右ペダル = 下矢印。
モード3 プレゼンテーションモード 左ペダル = ページアップ キー。右ペダル = ページダウン キー。
モード4 メディアモード 左ペダル = 再生/一時停止。右ペダル = 次の曲。
モード5 補助テクノロジーモード 左ペダル = スペースキー。右ペダル = Enter キー。
モード6 左/右マウスクリック 左ペダル = 左マウスクリック。右ペダル = 右マウスクリック。
モード7 MIDI 設定したMIDIコマンドを送信。

 
このうちモード1とモード7以外は自由にカスタマイズできるため、それぞれの好みや用途に合わせて利用可能です。
 

iPhone/iPad/Android/Windows/Macとマルチペアリング可能

AirTurn PEDproがペアリングできるのはiPhone、iPad、Android、Macと、一般的に使われるほぼすべてのデバイスを網羅しています。
 
さらに、マルチペアリングも可能なので、iPadでは電子書籍や電子楽譜のページめくりに利用し、Windowsでは仕事効率化のためのショートカット用として使うなど、端末ごとの使い分けも可能です。
 

150時間から200時間のバッテリー持ち時間、45メートル以上の動作範囲

AirTurn PEDproはバッテリーをフル充電すると150時間から200時間利用可能です。
 
これだけ長ければさまざまな用途に利用できるでしょう。
 
Bluetoothの電波が届く範囲も広く、見通し距離45メートル以上の動作範囲を誇ります。
 
たとえばプレゼンテーションなど、PCが近くになくかつ手が塞がっている状況で役立ちそうです。
 

薄くて軽い、音がしない

AirTurn PEDproのサイズは10 x 15 x 1.9センチメートルと小さく、重さは152グラムしかありません。
 
このため、持ち歩きが苦にならず、いつでもどこでも使えます
 
また、スイッチが感圧式で音がしないのも、仕事や楽器演奏で使うのにうれしい仕様です。

AirTurn PEDproを実際に使った感想

AirTurn PEDproは電子書籍や電子楽譜のページめくりに加え、仕事にも利用できます。実際に利用した様子を動画を交えながら紹介しましょう。

足でのページめくり

まずはAirTurn PEDproが想定しているメインの用途である、電子書籍や電子楽譜のページめくりです。
 
実際にiPad ProにAirTurn PEDproを接続し、Kindleアプリで表示した青空文庫の「吾輩は猫である」のページめくりをおこなった様子が以下の動画です。
 

 
また、以下の動画ではPiascoreアプリで著作権フリーの「エリーゼのために」の楽譜を譜めくりしています。
 

 
動画ではわかりやすいように手で押していますが、足で操作することで手が塞がっている状況でも電子書籍や電子楽譜を快適に使用できます。
 
ちなみに、AirTurn PEDproの動作モードは消費電力重視の「Low power mode」とレスポンス重視の「Fast response」の間で切り替え可能です。
 
上の動画はどちらもデフォルトの「Low power mode」を使っていますが、十分なレスポンスだと感じました。
 
より迅速なレスポンスが必要な場合には「Fast response」を使うと良いかもしれません。
 

仕事の効率化

AirTurn PEDproのボタンをカスタマイズすることで仕事の効率化にも役立ちます
 
たとえば標準で設定されている機能を使えば、上/下矢印やページアップ/ダウンといった操作を足でおこなうことができ、キーボードのホームポジションから手を離さずに操作ができるでしょう。
 

 
また、半角/全角キーを割り当てて英語/日本語の変換切り替えに使用したり、コピー/ペーストを割り当てたりしてもいいかもしれません。
 
PCなどを使った仕事では足は使わないことが多いですが、よく使うキーや機能をAirTurnシリーズに割り当てることで酷使されがちな手や指の負荷が減り、疲労軽減につながります

AirTurn PEDproの不満点

AirTurn PEDproを実際使ってみて感じた不満点について解説します。

ボタンの押し心地がいまいちで足での操作には慣れが必要

AirTurn PEDproは薄さと軽さを重視しており、スイッチに感圧式のものを採用しています。
 
このため、キーボードやマウスのようなボタンを押した感覚がありません
 
指で操作するならまだ良いのですが、足で操作する場合は感覚がつかみにくく、特に靴を履いていないときに柔らかい足先で踏むとうまくスイッチが反応しないことがありました。
 
うまく操作するには慣れが必要でしょう。
 
確実な操作を求めるならAirTurn DUOやBT200S-2といった押し心地のあるAirTurnシリーズがおすすめです。
 
AirTurn DUOの画像
 
また、電源スイッチやモードを切り替えるスイッチはかなり深く押し込まないと反応しないため、気軽にモード切り替えができないのも残念に感じました。
 
持ち運びの際の誤動作を防ぐためなのでしょうが、別にロックスイッチを設けるなどしてもう少し押しやすいほうが良かったのではないかと思います。
 

価格が高い

AirTurn PEDproの定価は10,780円(税込)であり、ほかのAirTurnシリーズも同等以上の価格です。
 
これだけのお金を出せばカスタマイズが可能なボタンを多く持つ高級なキーボードやマウスを購入可能であり、仕事の効率化だけでいうとAirTurnシリーズはコストパフォーマンスが必ずしも良いとはいえません
 
もちろん、足で操作できるという特徴は普通のキーボードやマウスではまねできないため、特に電子楽譜の譜めくりなどの用途では代用がきかないでしょう。
 
AmazonなどのネットショップではAirTurnシリーズよりも安価な足踏み型デバイスが販売されており、機能が同等ではありませんが、それらを選ぶのも1つの手です。
 

Windows向けの設定アプリがない

AirTurnシリーズにはAirTurn Managerと呼ばれる設定アプリが用意されていますが、iPhone/iPad/Android/Mac向けにしか用意されておらず、Windows向けのアプリがありません
 
このためWindows向けにボタンをカスタマイズする際は、ほかのデバイスとペアリングして設定した後、ペアリングを切り替えてWindowsで確認するという手間が必要になります。
 
仕事でWindowsを利用している人は多いため、仕事の効率化のためにはWindows向けのアプリがほしいところです。
 
Windows 11がAndroidアプリの実行に正式対応すれば使えるようになるかもしれませんが、マイナーなアプリのため公式サポートされるかどうかは不透明です。
 

充電端子がmicro USB

AirTurn PEDproの充電はUSB端子からおこなうのですが、端子の形状はUSB-Cではなくmicro USBが採用されています。
 
AirTurn PEDproの充電端子
 
最近はUSB-C端子を持つデバイスが増え、充電ケーブルをUSB-Cで統一できるようになる日も近いように感じていたのですが、AirTurn PEDproがmicro USBなのは残念です。
 
コスト削減のためだと思うのですが、ここはこだわってほしかったと思います。

楽器演奏に電子楽譜を利用するなら必須アイテム、仕事の効率化目的ならモデルを選ぶべきかも

ここまで紹介してきたように、AirTurn PEDproは足で端末を操作でき、特に手が塞がる楽器演奏が趣味で電子楽譜を利用するなら必須アイテムといえるでしょう。
 
また、カスタマイズ可能なボタンやモード切り替え機能、マルチペアリング対応など仕事の効率化にも利用できそうです。
 
ただ、今回試したAirTurn PEDproは軽さと薄さを重視しているため、ボタンの押し心地の面で不満を覚えました
 
確実に押すには慣れが必要であり、仕事用に複雑な操作をおこなうなら別の押し心地の良いモデルを選んだほうが良いかもしれません。
 
AirTurnシリーズはカスタマイズ性が非常に高いことから、この記事で紹介した以外にも多くの応用が考えられると思います。
 
ニッチな用途にはまる可能性があり、良いアイデアがあれば自分にとって唯一無二のデバイスとなるかもしれません。

 
 
Source: AirTurn, あぽろん
(ハウザー)

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この記事を書いた人

本職はSoCの設計者。このためPCやスマホのHW/SW両方に造詣が深く、その知見に基づいた記事を執筆している。スマホ歴はiPhone4→(Android)→iPhone XR→13 Pro。

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