スマホ料金国際比較、日本は6カ国中で最安水準、4G接続率ではトップ

    Apple 2021年9月イベント iPhone13

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    世界6カ国のスマートフォンの月額料金を比較すると、日本は6カ国中最も安く、4G接続率は最も高く通信品質は世界最高水準にあるとの調査結果をICT総研が発表しました。料金に満足しているユーザーの割合は48.0%で、昨年7月の調査から改善がみられます。

    6カ国のスマホ料金、日本は最安値レベル

    ICT総研は1月24日「2022年1月 スマートフォン料金と通信品質の海外比較に関する調査」の結果を公表しました。
     
    調査では、日本(4社)、アメリカ(3社)、イギリス(4社)、フランス(5社)、ドイツ(6社)、韓国(3社)の6カ国のMNOが提供する、データ容量2GB、5GB、20GB、無制限のスマートフォンの月額料金(税込)を、2021年12月1日時点でOECDの購買力平価換算で円に換算して比較しています。
     
    日本の平均月額料金は、2GBが1,477円、5GBが2,376円、20GBが2,445円、無制限が6,169円でした。日本の料金は、2GBと20GBでは6カ国中最も安く、5GBと無制限ではイギリスに次いで安いという結果となりました。
     
    2020年7月の前回調査では、日本は6カ国において中位にありましたが、今回は6カ国中で最も安い水準になっています
     
    ICT総研「2022年1月 スマートフォン料金と通信品質の海外比較に関する調査」
     

    日本の4G接続率は99.4%、6カ国中トップ

    Agoopのネットワーク接続率を用いて、通信品質を比較したのが以下のグラフです。
     
    4Gへの接続率は、日本は99.4%と6カ国中トップで、韓国の96.0%、米国の93.1%を上回っています。
     
    日本は3G接続が0.3%、圏外・タイムアウトが0.3%と6カ国中で最も低くなっており、通信品質は世界トップにあるといえます。
     
    イギリス、フランス、ドイツの欧州3カ国は4G接続率が80%前後で、2G・3Gでの接続も1割前後、圏外・タイムアウトの割合も7.0%〜10.9%と高めです。
     
    ICT総研「2022年1月 スマートフォン料金と通信品質の海外比較に関する調査」
     

    料金と通信品質の関係から見える日本の優位性

    6カ国の料金(縦軸)と4G接続率(横軸)をかけあわせたのが以下のグラフです。
     
    日本は4G接続率が100%に近く、2GB〜20GBの料金は最安クラスにあり、低廉な料金で高い品質の通信サービスが提供されていることが分かります。
     
    ICT総研「2022年1月 スマートフォン料金と通信品質の海外比較に関する調査」
     

    「料金」の満足度は48%、前回調査から約10ポイント上昇

    日本の携帯電話ユーザー(回答者数2,085)に、「サービスエリア」「通信速度」「料金」について5段階評価で満足度を聞き、「満足している」「どちらかと言えば満足」を合計した割合は以下のとおりです。
     

    • 「サービスエリア」満足度:65.8%(前回66.2%)
    • 「通信速度」満足度:61.0%(前回61.9%)
    • 「料金」満足度:48.0%(前回38.1%)

     
    ICT総研「2022年1月 スマートフォン料金と通信品質の海外比較に関する調査」
     
    「サービスエリア」「通信速度」の満足度は前回とほぼ同等で、「料金」の満足度は約10ポイント改善しています。
     
    ICT総研は、日本のMNOが提供する料金は6カ国中最安値レベルである一方、ユーザーの料金と通信品質に対する満足度は依然として低い水準にあるとの見方もできる、と分析しています。

    ショップのサポートも充実している日本のキャリア

    ICT総研によると、日本のキャリアショップは人口10万人あたり7.1店で、2位のアメリカ(3.8店)を引き離して6カ国中最多であり、定休日も月1回が一般的と、サポート体制も充実していると指摘しています。
     
    2018年夏に「日本の携帯電話料金は4割下げる余地がある」という菅官房長官(当時)の発言から注目を集め、この1年ほどで菅前政権時代に政府主導での携帯料金値下げが急激に進みました。
     
    しかし、2021年12月にMMD研究所が発表した調査結果からは、大手3キャリアと契約しているユーザーが回答者全体の約半数を占め、オンラインプランやサブブランド、MVNOの利用者はまだ多いとはいえません。
     
    今後は、ユーザーが自分に合った最適な通信サービスを選択する手助けとなる情報へのニーズが高まりそうです。
     
     
    Source:ICT総研
    (hato)

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