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2021年11月29日 12時42分

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オーストラリアで「荒らし防止法」の法案整備〜プラットフォームにも責任

オーストラリア スコット・モリスン


 
オーストラリアのスコット・モリソン首相は、Web上での名誉毀損を防ぐべく、オンライン・プラットフォームが“荒らし”の身元を開示しなければ、代わりにプラットフォームが責任を負うべきだとする法案を作成中であることを明らかにしました。法案は数日以内に提出される見込みです。

プラットフォームも責任を負う法案

荒らしの開示要求から裁判に持ち込むのは多大な労力を要し、現在はFacebookやTwitterといったプラットフォームの裁量が大きいと言わざるを得ません。
 
しかしこの法案が実現すれば、プラットフォームは名誉毀損の被害を受けたとするユーザーからの苦情処理システムの構築が義務づけられます。また、誹謗中傷コメントの投稿者はコンテンツの削除を求められるほか、削除を拒否した場合や被害者が法的措置を取ることを希望する場合は、投稿者に連絡先を公開する許可を求めることができるようになります。
 
さらに、そこでもプラットフォームが投稿者の同意を得られない場合は、エンドユーザー情報の開示命令が適用され、ユーザーの身元を明らかにする権限が与えられます。さらにプラットフォームが荒らしを特定できないか、特定を拒否した場合は、荒らしの代わりに運営企業に支払い義務が生じます。

現実とデジタルの世界は同じであるべき

モリソン首相は記者会見で「オンラインの世界は、ボットや偏屈な人間、荒らしが匿名で活動し、人びとに危害を与えるようなワイルドウエスト(無法地帯)であってはならない」と、法案成立に対して前向きな姿勢を示しました。「現実の世界であり得ないことは、デジタルの世界でもあり得ないことなのだ」
 
ただし、課題もあるでしょう。
 
プラットフォーム側の恣意性を牽制するのは好ましい一方、誹謗中傷の定義を明確にしなければ、この法律が表現の自由を萎縮させることにも繋がりかねません。ニュースサイトThe Vergeは「プラットフォームがどのような具体的な情報を収集・開示するよう求められるのかは不明だ」とし、「誹謗中傷の度合いがどの程度であれば、誰の身元を明らかにする必要が出てくるのか、まだ分かっていない。誹謗中傷の定義が緩ければ、プラットフォームに深刻な脅威をもたらす可能性がある」と慎重な見方を採っています。
 
ちなみにオーストラリア政府が目をつけているのは、SNSだけではありません。ネット広告のおよそ81%をGoogleとFacebookが占めている一方、国内の印刷・出版業界は広告収益が過去15年で75%減少していることを問題視し、ニュースメディアにロイヤルティ(使用料)を支払うよう、GoogleやFacebook義務付ける法案を検討しています。
 
 
Source:The Verge
Photo:YouTube/ABC News
(kihachi)

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