Apple、従業員の米テキサス州からの移動を支援へ〜問題の妊娠中絶法受け

    ティム・クックCEOの画像

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    米テキサス州で施行された新たな妊娠中絶法を受け、ティム・クック最高経営責任者(CEO)は希望する従業員に州外で堕胎できるよう支援する考えを明らかにしました。

    法廷闘争への協力も検討

    米テキサス州の従業員を支援する計画は、先日開催された新作発表会と時を同じくして設けられた、16万人の全社員向けの社内会議で明らかにされました。社内会議の内容は公式に明らかにされていませんが、New York Timesは独自に録音を入手し、ティム・クックCEOが同州の妊娠中絶法について説明していたことを確認しています。
     
    説明にあたったクックCEOによれば、中絶を行うための州外への移動費用を、Appleは自社の医療保険でカバーするそうです。また、妊娠中絶法の見直しを求めるべく、法廷闘争への協力を検討していることも明らかにしました。すでに米バイデン政権はテキサス州を提訴し、10月1日は同法を一時的に差し止めるための連邦審議会が予定されています。

    ほとんどの女性が中絶できず

    この州法がここまで紛糾するのは、性的暴行された場合を含め、妊娠の極初期に当たる6週目以降の中絶が禁止されるためです。
     
    これによって、ほとんどの女性が実質的に中絶を受けられなくなると考えられており、女性の権利を訴える権利団体などが連邦最高裁判所に差し止めを求めたものの、共和党の影響力が強まった最高裁は、従来支持してきたとされる判例を覆して請求を退けています。
     
    なおApple以外にも、リプロダクティブ・ライツ(性と生殖に関する権利)の観点から、妊娠中絶法に対して反旗を翻す米企業は数多く存在します。Salesforceのマーク・ベニオフCEOは「Ohana(家族)よ、望むならテキサス州からの脱出を支援する」と述べ、州外への転居を希望する従業員を支援すると発表しました。
     
     
    Source:Mashable,NYT,@benioff/Twitter
    (kihachi)

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