LG、スマホ事業売却で巻き取り式スマホ開発も中止か

LGの巻き取りディスプレイスマホであるLG Rollableの画像

LGの巻き取りディスプレイスマホであるLG Rollableの画像
 
スマートフォン事業売却が噂される韓国LG Electronicsですが、売却と同時に、先日CESで披露したばかりの巻き取り式スマートフォンの開発も中断されるかも知れないと、The Korea Heraldが報じています。

事業売却先はベトナムVingroupか

LGについては以前より、不採算部門であるスマホ事業の売却が囁かれてきました。今年に入ってから同社のスマホ事業部門担当者がこの噂を否定しましたが、その数日後にはReutersが、LGがモバイル事業からの撤退を含めた検討を行っていると表明した、と報じました。

 
そしてBusiness Koreaの1月21日付けの報道によると、LGは現在ベトナムのVingroupと、スマホ事業売却について話し合いを進めているとのことです。

LG向けにODM生産を行うVingroup

Vingroupはベトナム最大のコングロマリットで、不動産、小売、ホテル・リゾート開発、自動車、スマートフォンなど、多岐に渡る事業を展開しています。
 
Vingroupがスマホ事業に乗り出したのは2018年で、以来LGと提携しODM生産(LGブランドによる設計・生産)を行っているため、今回のスマホ事業売却先としてVingroupの名前が浮上したのも驚くには当たらないでしょう。

WINGは「失敗」

ただしVingroupがLGのスマホ事業を買収したとしても、LGがCESで披露した巻き取り式ディスプレイ搭載スマホ「LG Rollable」の開発は、終了となる可能性があるとThe Korea Heraldは述べています。
 
同メディアに対しLGは現地時間1月22日、巻き取り式スマホは現在も開発を進めているものの、発売計画などの詳細は決まっておらず、「あらゆる可能性がある」と語ったとのことです。
 
LGの事情に詳しいある業界関係者は、売上的にはほぼ「失敗」であるT字型ディスプレイ搭載スマホ「WING」の轍を踏まないためにも、「巻き取り式スマホの開発は事業売却の前に中断するのではないか」と見ています。
 
技術的には注目を浴びたWINGですが、昨年9月の発売からこれまでに売れた台数は1万台に達していません。

 
 
Source:The Korea Herald,Business Korea via Notebookcheck
(lunatic)

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この記事を書いた人

元某業界新聞社の記者。その後フリーライターとして各方面で執筆、英日翻訳家としての著書も多数。2014年から本メディアでライター、編集記者として活動中。アメリカ在住(現在は日本に滞在中)。iPhone使用歴は12年以上。

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