iPhone12 Pro/Maxが対応のProRAW、プロカメラマンが作品公開し解説

オースティン・マン氏 Apple ProRAW

オースティン・マン氏 Apple ProRAW
 
iOS14.3で利用可能になったApple ProRAW での写真撮影、編集について、プロカメラマンのオースティン・マン氏が解説しています。

iOS14.3で利用可能に

日本時間12月15日未明に公開されたiOS14.3では、Apple ProRAWが利用可能になりました。
 
Apple ProRAWは、iPhone12 ProとiPhone12 Pro Maxで、ナイトモードやスマートHDR、Deep FusionといったApple独自の高度な画像処理と、編集・加工の自由度が高いRAW形式の良さを併せ持ったフォーマットです。
 
最近ではiPhone12 Proで撮影した作品を公開し、iPhone12 Pro Maxのカメラ性能を徹底評価した旅行写真家のオースティン・マン氏が、ProRAWで撮影し、加工した写真と通常の写真を分かりやすく比較しています。

星空の表現で違いを比較

iPhone12 Pro Maxで、ProRAWフォーマットでナイトモード(露出時間30秒)を使って撮影し、iOS版のAdobe Lightroomで加工したのが記事トップの作品です。岩には照明を当てて撮影したそうです。
 
iPhoneのカメラで標準の「高効率」設定で撮影したHEIC形式の画像を加工した写真(左)と、ProRAWで撮影して加工した写真(右)を並べたのがこちらです。加工にはどちらもLightroomを使っています。
 
オースティン・マン氏 Apple ProRAW
 
マン氏によると、HEICの写真はノイズリダクションが働いたために、ディテールが失われてしまっていたそうです。一方のProRAWは、夜空の暗い部分をしっかり残し、多くの星が鮮明に写っています。
 
オースティン・マン氏 Apple ProRAW
 

野外での人物撮影でも威力を発揮

ProRAWの威力は、夜空以外でも発揮されます。
 
人物にも背景にも太陽光が当たる明るい屋外での撮影は、明るい部分が真っ白になり、暗い部分がつぶれてしまいがちな、難しいシーンです。
 
ProRAW形式のファイルは、Photoshopなどの画像加工で明るさやシャドウを細かく編集し、印象的な作品に仕上げることができます。
 
iPhone標準のHEIC(左)、編集前のProRAW(中央)、Photoshopで編集したProRAW(右)を並べると、その違いがわかります。
 
オースティン・マン氏 Apple ProRAW
 

きめ細かい階調表現による自然で鮮やかな色彩

ProRAWでは12ビット撮影が可能で4,096階調と、HEIC(8ビット)の256階調よりもきめ細かい情報を扱うことができるため、自然な色調を表現できます。
 
HEICで撮影した画像(左)とProRAWの画像(右)を比べると、ProRAWのほうが野菜やチーズが美味しそうな自然な鮮やかさで表現されています。
 
オースティン・マン氏 Apple ProRAW
 

ProRAW撮影のアドバイスも

マン氏は、ProRAWの特性を踏まえたアドバイスもブログに掲載しています。
 

  • ProRAWで撮影した画像は、撮ったままでは共有や印刷ができず、必ず画像処理が必要。
  • ProRAWで撮影すればきれいに撮れるわけではない。画像処理する前は、通常撮影した画像のほうがきれいに見える。
  • ProRAWを使うと良いのは、極端な環境(室内で暖色系と寒色系の混ざった照明、非常に暗い環境、明暗の差が激しい環境など)で撮影し、画面または印刷で拡大する予定がある場合。
  • iPhoneのスマートHDRによる画像処理による色調に納得がいかない場合などはProRAWを使うと良い。

 
マン氏のブログでは、オリジナルの画像を見ることができます。
 
 
Source:Austin Mann via MacRumors
(hato)

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この記事を書いた人

2013年からライター&編集担当として活動。2007年、駐在中のシリコンバレーで発売直後の初代iPhoneに触れて惚れ込む。iPhone歴は3GS→5s→6 Plus→7 Plus→XS Max→12 Pro Max→14 Pro。

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