FaceTimeとiMessage、“パテント・トロール”の控訴が認められる


     
    Appleとの特許侵害を巡る裁判で2日、VoIP-Palが米連邦巡回区控訴裁判所で控訴に成功しました。これによって裁判は米地方裁判所に差し戻されることとなります。今回問題となったFaceTimeとiMessageは、先日も別企業が裁判で巨額の損害賠償を勝ち取っています。

    棄却から一転、控訴が認められる

    AppleFaceTimeやiMessageが知的財産権を侵害しているとして2018年、同社を相手取ってVoIP-Palは訴訟を起こしました。具体的にはVoIP-Palが保有する「ボイスオーバー・インターネット・プロトコル(Voice over Internet Protocol:VoIP)」に関する4つの特許を、Appleが侵害しているというものです。
     
    VoIPはIPネットワーク上で音声や動画での会話を可能にする技術で、VoIP-PalはAppleの他にもAmazonやFacebook、Google、米大手キャリアのVerizon、AT&Tなど、通信に関係する複数の巨大テック企業を提訴していました。
     
    Appleを相手取った訴えは2019年後半、カリフォルニア州地裁で棄却されていましたが、VoIP-Palは控訴裁判所に提訴し、今回差し戻しが認められた格好です。

    先日も500億円超の損害賠償支払い命令

    奇遇にもFaceTimeやiMessageは、先日も米テキサス州の連邦陪審によってVirnetXの特許を侵害したと判断され、Appleが5億280万ドル(約525億円)の支払いを命じられたばかりです。
     
    ただし、VirnetXは実際には製品開発を手掛けていない「不実施主体(Non-Practicing Entity:NPE)」で、当初から特許使用料や損害賠償の請求を目的とした“パテント・トロール”だと見られています。今回のVoIP-Palに対しても同様の見方をする向きは少なくありませんが、VoIP-Pal最大の株主にして創業者のエミル・マラク氏は「パテント・トロールではなく、パテント(特許)の発明者だ」と否定しています。
     
     
    Source:AppleInsider,Yahoo!Finance
    (kihachi)

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    この記事を書いた人

    丸みを帯びたiPhone3GSの筐体に惚れ込み、Apple信者を誓ったのも今は昔。2014年から始めたライター業がきっかけで、気づけばXiaomiやHuaweiなど中華スマホにも手を出す浮気症に。

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