短編動画配信サービス「Quibi」が廃業へ〜開始から6カ月
先日Apple TVでの配信開始が伝えられたばかりの「Quibi」ですが、廃業を決定した、とThe Wall Street Journalが報じています。
なるべく多くの資金を返却するため廃業を選択
Quibiは、スマホのディスプレイに最適化させた5分〜10分間の短い“チャプター”ごとに分けた動画作品の配信プラットフォームです。4月にサービス開始となりましたが、会員登録者が伸び悩みました。
「当社の失敗は、努力不足が原因ではない」と、Quibi創業者のジェフリー・カッツェンバーグ氏と最高経営責任者(CEO)のメグ・ウィットマン氏は従業員と投資家向けに宛てた手紙の中でコメントしています。「当社は考えられるすべての選択肢を吟味した」
カッツェンバーグ氏とウィットマン氏は、集めた資金をなるべく多く返却するため、廃業を決定した、とWSJが伝えています。
従業員は解雇となりますが、退職金が支払われる見込みで、いくつかのQuibiコンテンツは他のメディアやテクノロジー企業への売却が模索されているとのことです。
サービス失敗の理由は2つ?
カッツェンバーグ氏とウィットマン氏は、Quibiの失敗には2つの理由が挙げられると説明しています。
1つは、「Quibiのアイデアそのもの」で、もう1つは「パンデミック禍でのサービス開始」であるとのことです。「残念ながら真相はわからないが、この2つの組み合わせだろう」
しかしながら、サブスクリプション管理会社ZuoraのCEO、ティエン・ツォ氏は別の意見を述べています。
「Quibiは、動画とスマホという、製品ビジョンの中に囚われすぎるという、古典的な間違いを犯し、顧客をないがしろにした」とツォ氏はコメントしています。「素晴らしいアーティストとストーリーテラーを抱えており、短編動画というアプローチに多くのポテンシャルがあったはずだ。TikTokの成功を見ればわかる」
Quibiのカッツェンバーグ氏は、Appleにサービス売却を持ちかけたものの、拒絶され、右往左往していると以前伝えられていました。
Source:WSJ
(lexi)