Apple Card、開始一年で見えてきた長所と短所
AppleがGoldman Sachsと共同で提供しているApple Cardはアメリカでのサービス開始から13カ月が経過しています。クレジットカードとして見たApple Cardは高く評価されている点が多くある一方で改善の余地も指摘されています。ただ概ね高評価なのは確かなようです。
4つの長所
Apple Cardを評価したアメリカのクレジットカード情報サイトは、際立った長所が4つある反面、改善の余地がある部分が3つあると指摘しています。長所として挙げられたのは「Apple Payとの連携」、「わかりやすいキャッシュバック」、「顧客サービス」、「広い顧客層」です。
Apple Cardでは決済翌日にApple Pay残高としてキャッシュバックが実施されます。この単純さがApple Cardの一つの長所であり、Apple PayとしてApple Cardを使った場合は2%のキャッシュバックが得られるなど、ユーザーをApple Payへと誘導して双方をうまく連携させている点も評価されています。
またApple Cardはアメリカのクレジットカードでよく見られる各種手続きの手数料を無料とすることで他のクレジットカードとの差別化を図っています。またそれだけでなく、新型コロナウイルスの蔓延で支払いが遅れてしまうユーザーに対し、無利息で支払いを猶予するサービスも実施しています。こうした顧客サービスはApple Cardの大きな長所となっています。
このApple Cardは比較的クレジットスコアの低いユーザーにも提供されており、仮に所得や借入状況が通常のクレジットカード審査の基準に満たない場合でも、公共料金の支払い状況などを審査に加えてApple Cardユーザーを増やしています。その結果、幅広いユーザーにクレジットカードサービスを提供することにも成功しており、Apple Cardの成功を支えていると言われています。
改善余地も
Apple Cardのキャッシュバック率は最大で3%ですが、物理カードを通常の店舗で使った場合は1%と設定されています。これらを総合するとキャッシュバック率は他のクレジットカード会社より低くなっており、特典を重視するユーザーには物足りないキャッシュバック率になっているのは確かです。また家族カードの発行は行われておらず、この点も他のクレジットカードより見劣りする部分になっています。
さらにせっかくiPhone向けに家計管理アプリが多くリリースされているのに、これらアプリとの連携がうまく取れていないのも改善余地として指摘されています。Apple Card自体に支出管理機能がついてはいるのですが、カード以外の支出も同時に記録して管理できるアプリとの連携は重要です。これもApple Cardの一つの課題と指摘されています。
このように長所、改善点が複数挙げられているのですが、概ねApple Cardの評価は高く、新規参入1年で大きく進化したカードと受け止められています。Apple Cardの今後の1年にはさらに期待が持てそうで、日本のユーザーとしてもできるだけ早くの国内でのサービスインに期待したいところです。
Source:9to5Mac
(KAZ)