中国政府が規則を変更、TikTokの米国事業売却には中国の許可が必要に
海外大手メディアBloombergは8月30日、中国政府が輸出規制を変更した結果、TikTokの米国事業売却には中国政府の許可が必要となったと報じています。
中国政府が規則を変更
中国国営通信社の新華社は、中国政府商務省と科学技術省が8月28日に「輸出禁止・制限技術リスト」の変更を発表したと報じています。
中国では技術輸出入管理条例という法規制により、輸出禁止・制限技術リストを作成しており、リスト記載の技術を中国外に移転する際には、事前に中国政府の許可が必要となります。今回のリスト変更により、音声認識技術やデータ解析技術等のAI関連技術が制限リストに追加されました。
Bloombergは匿名の関係者からの情報として「TikTokの米国事業売却は輸出制限の対象となり、中国政府の事前許可が必要となる」と報じています。
TikTokは米国大統領令により売却を迫られている
米国のトランプ政権はTikTokに関する国家安全保障上の懸念を表明しており、大統領令を発出し、親会社のByteDanceに対して米国事業の米国企業への売却か、米国でのサービス停止かの選択を迫っています。
現在、MicrosoftやOracleが売却交渉を行っていると報じられており、8月27日にはTikTokのケビン・メイヤー最高経営責任者(CEO)が辞任する等、48時間以内の売却が噂されていました。
TikTokの米企業への売却が、中国の輸出制限対象となる場合、中国政府の許可には時間を要するとみられ、トランプ政権の予測より売却が遅延する可能性が生じています。
TikTok売却問題は、米国の大統領令と中国政府の輸出制限規則により、両国政府の法規制の影響を受けることとなり、今後の米中対立の火種となる可能性があります。
Source:Bloomberg, 新華社
Photo:Futureatlas / flickr
(seng)