Apple Watchを使った手首での体温測定は誤差が大きい?

    iPhone12 EAP9

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    新型コロナウイルス感染症の影響を受け、体温測定を行う機会が増えています。Apple Watchで体温測定が出来れば簡単に体温を確認できそうです。しかし、測定結果の精度ということになると、Apple Watchによる手首での体温測定は誤差が大きく、信頼性に欠けるかもしれません。

    体温とは?場所によって温度が異なる

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    体温測定する場合、体のどの部分で測るかによって得られる結果が異なります。口の中などと比べ、外気温の影響も受けやすい手足や顔の表面の体温は安定していません。
     
    これに対して、脳に近い耳の中、体温計を自身の体で包み込むことが容易なワキ(腋窩)なら、体内の温度を得やすく、信頼性のある測定結果が得られる部位として使われています。
     
    ワキ表面の温度は手首と同じ体の表面の温度であり、体の内部(中枢)の温度とは異なるものです。ワキで測定する体温計は、それを挟んだまましばらく待つことによって体表面の温度ではない、体内の温度が確認できる仕組みになっています。

    AirPodsに耳式体温計が測定されたら?

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    次世代AirPodsには、赤外線センサーを利用した耳式体温計機能が搭載される可能性が、Appleが取得済みの特許情報から期待されています。この機能が実現すれば、AirPodsを装着している間は正確な体温測定結果が得られそうです。

    Apple Watchに搭載されたらもっと便利では?

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    Apple WatchとAirPods、両方を使っているユーザーの場合、一日の中での使用時間(装着している時間)は、AirPodsよりも長いのが一般的であろうApple Watchで体温測定が出来ればより便利だとの期待があります。
     
    Apple Watchが提供する機能は、今後も拡大すると期待されていますが、体温測定については、測定結果の信頼性という点でそれを実現するのは簡単ではないようです。Apple Watchを利用した手首での体温測定を行っても、発汗や筋肉の動き、外部からの振動の影響を受けやすく、正確な結果は得られないだろうと、MacWorldは報じています。
     
    現状は、Apple Watchで体温測定が行えたとしてもそれは手首表面の温度であり体内の温度ではない、つまりApple Watchで体温を測っても「信頼性のある数値ではない」のが、正式な機能として提供されない理由と予想されます。
     
    筋電センサーを利用した新機能提供が期待されているように、新型センサーで体内の温度測定が出来るようになれば、Apple Watchでの体温測定機能が実現されるかもしれません。
     
     
    Source:テルモ, オムロン, 9to5Mac, Apple Support Communities, Macworld
    (FT729)

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